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立食いそばがあんなに安いのは業界の努力の結晶!【経済の話】

Text:神樹兵輔

立ち食いそば店の儲けのカラクリ

一般のそば店で、そばメニューを見ると1千円前後する品も珍しくないですが、なぜ、立ち食いそば店のメニューは300円〜400円台と一般のそば店の半額以下でリーズナブルなのでしょう。

これには、立ち食いそば業界の長年にわたる努力と工夫がありました。立ち食いそば店のそばは、そば粉が1〜2割で、8〜9割が小麦粉という場合も少なくないからです。稀に100%小麦粉で、色だけそば風にしたものまであります。

輸入物の小麦粉は安く(100g20円程度で99%が米国、カナダ、豪州産)、これを使ってそば風の色だけつけた、限りなくうどんに近いそばなのです。

そばを混ぜる場合でも、国産のそば粉は100g100円前後もしますから、輸入物の半額程度のそば粉を使って製麺しています(ほとんどが中国産)。しかし、こうでもしないと、とても300〜400円台程度では、そばは提供できません。

推定される原価は、「かけそば」の場合で、麺が小麦粉100%の「そば」の場合は20円前後、そば粉40%なら40円前後、汁が20円前後、ねぎが3円前後で、1杯の原価は推定43円〜63円です。1杯300円で提供した場合なら、原価率は、14.3%〜21%ぐらいでしょう。

トッピングにかき揚げ(原価40円)をのせて、400円前後で提供すると、推定原価は20%〜25%程度です。また、一般のおそば屋さんのどんぶりよりも、スープが少なくてすむように2〜3割底がすぼまった270㎖前後のどんぶりを使います。

こうした努力と工夫で、そばの価格が安くても、駅前一等地に出店し回転率での勝負ができるのです。近年は茹ゆ麺でなく、急速に茹で上がる生麺を使う店も登場しています。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』
監修:神樹兵輔

日本の社会をとりまく環境は日々変化を続け、日本経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を見ることにもなる。行動経済学から、原価のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済の基本を、身近なテーマとともに図とイラストでわかるやすく解説、読み解く一冊。

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