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太宰府にある学問の神様「菅原道真」は、なぜ天神様になったの?

Text:渋谷申博

天満大自在天神という神号を得たから

学問の神といえば、誰もが天神様こと菅原道真公(845~903)のことを思い浮かべるでしょう。でも、なぜ菅原道真公のことを「天神」と呼ぶのでしょうか。その説明をする前に、菅原道真公の生涯を簡単に振り返っておきましょう。道真公は学問によって出世した方です。宇多天皇に抜擢されて政治の中枢を担うようになり、醍醐天皇の御代に右大臣となりまた。 しかし、醍醐天皇を欺いたという罪をきせられて太宰府に左遷となり、悲憤を抱いたまま59歳で没しました。その直後から、藤ふじ原わらの時とき平ひらなどの道真公左遷に関わった人たちや醍醐天皇の皇子などが相次いで死去し、道真公の祟たたりではないかと噂されました。このため朝廷は道真公の地位を右大臣に戻し、正二位に叙しました。 

しかし、930(延長8)年には、清涼殿に雷が落ちて公卿・官人が死去するという前代未聞の災害が起こり、醍醐天皇も崩御されるに至って、道真公を畏れ敬う風潮が広まりました。そんな中、右京七条に住んでいた多治比文子という巫女に託宣があり、火ほの雷いかづちの神かみという雷らい神じんの祭祀が行なわれていた京の北野*で道真公が祀られるようになりました。また、道真公の墓所に寺院が建てられた太宰府でも道真公を神様として祀るようになり、のちに神社に発展しました。こうした中で道真公の神号として用いられたのが天満大自在天神だったのです。この神号の最初と最後の文字から天神と呼ばれたのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博

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公開日:2021.06.22