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キャラクターの意志に一貫性を持たせて読者が応援したいと思える主人公を描こう【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

Text:佐藤ヒロシ

キャラクターに一貫性を持たせる

主人公の性格の一貫性は必要ですが、キャラクターは成長するものです。キャラクターをぶれていないと感じさせるには?

目標への思いをブレない軸にする

マンガのキャラクターも、意志を持ったひとりの存在。特にストーリーのなかでほとんどの時間フォーカスされる主人公は、物語のなかでさまざまな経験を通じ、考え方やスタンスが変化します。

ただし、作品の途中で主人公の性格が理由もなく変われば、キャラクターにブレがあると、マンガを読んでいる人たちに思われてしまいます。心情・価値観の変化が「キャラのブレ」ではなく、「成長」なのだ、と読者に感じさせるにはどのようにすればいいのでしょうか。

読者を納得させるには、主人公の行動の目的をしっかり設定して、成長していく必然性を描く以外に方法はありません。

たとえばボクシングマンガで、「父親のような世界一のボクサー」を目指しているものの、「練習をサボりがち」な主人公がいたとします。物語の中盤で、この主人公は努力家のライバルに敗北し、現状では世界一のボクサーになるどころかライバルにすら勝てないと悟ります。そうすると、その後主人公が目指す夢のためにサボるのをやめて、ひたすら練習に打ち込むようになっても違和感はありません。このようなストーリーなら主人公にはこれまでの自分を曲げてまで叶えたい「目標」という軸があるので、ブレているように読者も感じないのです。

目標への思いをブレない軸にする【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

マンガのストーリー主軸は目標というゴールに向かって進む主人公。現状の自分では打破できない壁に当たったとき、主人公が成長によって変化させるべきなのは、「達成できない自分」であって「目標」ではない。

キャラクターがブレてしまう時の例

反対に、ライバルに勝つ前に彼女ができたから満足して、練習をサボってしまうような展開では、「目標」に対して意識の低い、ブレブレのキャラクターになってしまいますし、読者が応援したいとも思えなくなってしまいます。

主人公の価値観の成長に納得感と一貫性を持たせるには、何を犠牲にしてもその目標をやり遂げないと自分という存在の意義が揺らいでしまう、というくらいの、わかりやすい理由をつくったほうがいいのです。

キャラクターがブレてしまう時の例【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

①目標への情熱がない

そもそもストーリーの根幹になる目標への熱意がないとストーリーが散漫になる。主人公には目標を目指す由づけをしっかりと行うこと。

②他人まかせの選択

他人に選択をゆだねてばかりの主人公だと、軸がないのでブレやすく、読者にとっても共感や応援をしにくい。

【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ

【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ

マンガを描く上で、アイデアやイメージを形にするのは難しく、面白さを伝えるためにはネームが必要です。ネームは、コマ割りや構図、キャラクターの配置などを具体的に示す設計図であり、作品の完成度を高めるために何度も修正を繰り返します。本書では、ネームの作り方と素晴らしい作品になるためのポイントを解説し、実際のネーム添削も紹介。ネームを描くことが、面白いマンガを作成する第一歩です。マンガネームの書き方に悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。

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