仏式のお葬式②葬儀・告別式
葬儀・告別式の時間
現代では葬儀・告別式として一緒に行われていますが、本来はそれぞれ別の意味をもっています。葬儀は故人をあの世へ送る宗教的な儀式であり、告別式は一般参列者が故人にお別れを告げる式典です。
葬儀・告別式の後には火葬や精進落としが控えているため、通夜と比べると時間的な制約があります。喪主のあいさつや出棺の時間を念頭において、式次第が予定通りに進むよう、時間の配分に注意しなくてはなりません。
また、喪主と遺族は、当日新しく届いた供花や供物があれば並び順を再度チェックし、弔辞 (*1)依頼した人の名前や弔電(*2)の順序を司会者と打ち合わせるなど、対外的に失礼のないように確認しましょう。
*1 弔辞 故人に捧げる別れの言葉。弔辞の人数は2人が一般的です。
*2 弔電 通程度を代表として司会者が奉読します。社会的地位の高い人、会社関係者などを優先するのが一般的です。
一般的な葬儀・告別式の流れ
葬儀・告別式では、故人を弔うための宗教儀式が厳粛に執り行われます。近年、本来は火葬後に行われる初七日法要を式中にくり上げて行うケースが増えています。
1 打ち合わせ
弔辞・弔電の名前の読み方を司会者とチェック、供花・供物の順、火葬場の同行人数などを葬儀社と確認する。
2 僧侶の出迎え
僧侶を出迎え、葬儀の進行、火葬、くり上げ初七日法要、精進落としについて確認する。
3 受付開始
参列者が揃っている開式前にくり上げて行うことも。
4 開式の辞
一同着席後、司会者が開式の辞を述べ、喪主があいさつ(⇨P70)。
5 僧侶による読経
戒名を授かる「授戒」、故人をあの世に導く「引導」を行う。
6 弔辞・弔電
代表者が弔辞を述べ、祭壇に供える。弔電は、司会者が奉読する。
7 焼香
僧侶の読経が再開し、喪主、遺族、親族、弔問客の順で行う。
8 閉式の辞
僧侶が退場し、司会者の閉会の辞によって終了となる。
9 お別れの儀
遺族は故人と別れを済ませ、棺のふたを閉める(⇨P69)。
10 喪主あいさつ
参列者が揃っている開式前にくり上げて行うことも。
11 出棺
棺を搬出し、霊柩車へ運ぶ(⇨P68)。
※式次第は一部省略したもの。また、地域や宗派によって内容が異なる。
【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年
【書籍情報】
『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』
著:奥田 周年
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公開日:2024.09.15