社内での受けこたえ
上司の指示に「わかりました」は使えない
ビジネスの場では、一般的な常識とは別のビジネスの常識が求められます。上司の指示に対する受けこたえも、ビジネス常識に添ったものでなければ評価にも影響します。
「○○君、明日の会議に必要な資料をつくってくれないか」
課長からそんな指示があったとき、どんな受けこたえをしますか?
「は~い」。まさか、こんな人はいないと思いますが、学生気分をそのまま引きずった対応は、当然、論外。ビジネスに臨む姿勢として失格です。では、常識的な次の言い方は?
「わかりました」
指示を了解したという端的な受けこたえですが、一般常識にはかなっていても、ビジネスの常識という点からすると的確な対応とはいえません。上司の指示に対する受けこたえとしては、次のような言い方が理想でしょう。
「かしこまりました」
「承知しました(いたしました) 」
この前に「はい」という返事がつけば満点です。社内にかぎらず、対外的な場面でも相手から依頼や注文があって、それを受け入れるときにもこの言い方を使いましょう。
もちろん、この受けこたえで上司への対応が完結というわけではありません。指示は「会議に必要な資料の作成」ですが、これだけですぐに仕事に取りかかれるでしょうか。自分が指示を受けたことをイメージして考えてみてください。上司に聞いておかなければならないことがあるのでは?
資料はいったい何部つくればいいのでしょう。明日の何時までにどこに準備すればいいのでしょう。その情報がないと指示に完璧にこたえる仕事はできませんね。
「何部、ご用意すればよろしいでしょうか?」
「何部、必要になりますか?」
「明日の何時までに、何部ご用意すればよろしいでしょうか?」
「課長のお手元にお持ちすればよろしいですか?」
受けこたえと同時にそうした確認も必要です。いったん資料の作成に取りかかってから、 「あれっ、何部つくればいいんだろう?」 「タイムリミットは明日の何時?」と考え、いちいち上司にお伺いを立てるようではスマートな仕事ぶりとはいえません。相手が何を、どこまで求めているかを常に意識しましょう。
【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二
【書籍情報】
『頭がいい人の敬語の使い方』
著:本郷陽二
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公開日:2024.08.20