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ビジネスの場で「何気に」を使ってはいけない理由とは!?【頭がいい人の敬語の使い方】

Text:本郷陽二

「何気に」はビジネスシーンではタブー

時代が生み出した言葉が広く定着することがあります。「ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社)はそうした言葉の発信源の1つです。かつて、新語部門の金賞では、「セクシャル・ハラスメント」が大賞に選ばれ、その後、「〇〇ハラ(スメント)」などの言葉が広く使われるようになりました。

同様に、いまでは若者を中心にすっかり定着したのが「何気に」という言葉です。

テレビを観ていても、タレントの口からやたらに「何気に」が飛び出します。

「初めて入ったレストランだったけど、何気にいい感じだった」

「あの人は何気にかっこいい」

「この料理、何気にうまい」

例をあげたらキリがありません。「何気に」は「何気なく」が変化した言葉でしょう。

「これというはっきりした理由があるわけではないが、どことなく~」といった意味合いで使われ、それなりにニュアンスが伝わる結構便利な言葉になっています。コミュニケーションは思いが伝わることが大切ですから、友人同士の間で使うなら文句を言う筋合いはありません。

しかし、ビジネスシーンにもち込んだら、確実に評価を下げます。課内のミーティングで意見を求められて、

「そうですね。何気にいい感じだと思います」

そんな言い方をしたら、上司にムッとされるのは間違いなし。

「何気にとはどういうことだ。まったく意味不明じゃないか。ここは仕事の場であって仲間の飲み会の場じゃないんだぞ。もう君の意見はいい」

正当性は、もちろん上司にあります。仕事の場では自分の意見や主張を明確に、相手に伝わるように、述べるのが原則です。「何気に」は、その原則にまったく反するのです。

「時代性を反映している点がいいと思います」
「これまでにない斬新さがいいと思います」

などのように「いい」の中身をはっきりさせなければ、ビジネスシーンでは通用しません。仕事の相手からアポイントを求める電話がかかってきて、

「その件の打ち合わせでしたら、何気に金曜日の午後くらいが・・・・・」

そんな受けこたえをしたら、瞬時に信頼感は失墜です。

【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二

【書籍情報】
『頭がいい人の敬語の使い方』
著:本郷陽二

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