勉強するために子ども部屋は必要?
最適な場所じゃ、年齢や気質によって変わる
「子ども部屋があったほうが、勉強もはかどるでしょうか?」
「何歳ごろから、子ども部屋が必要でしょうか?」
これは、小学生のお子様がいるおとうさんおかあさんから、とても多く寄せられるご相談です。子ども部屋があったほうが勉強に集中できるか?という質問については、子どもの年齢や気質による部分が大きいといえます。
子どもが小さいうちは、立派な子供部屋があっても、物置のようになってしまうかもしれません。もしかしたら、「もう、そうなってしまいました!」というご家庭も多いかもしれませんね。
また、子どもの個性や気質によって最適な場所は異なる可能性もあります。たとえば、マルチタスクとシングルタスクというタイプで考えることもできます。
マルチタスク型の子はいろいろなものが見えると目の前の勉強に集中できない傾向にあり、シングルタスク型の子は周りがどんな状況でも関係ない傾向にあります。
もちろんこのほかにも疑問点をすぐに大人に質問できる環境が良い、弟や妹が遊んでいることで気が散ってしまうから一人静かに集中できる環境がよいなどもあるでしょう。このような子供の気質をつかみ、その時々の様子や家庭環境に合わせて、その子にあったよりよい環境をつくることが大切です。
子ども部屋がつくれなくても大丈夫
こどもにとって、子ども部屋は自分にとって大事なプライベート空間です。たとえ小さな頃は物置状態だったとしても、学年があがるにつれて自分の部屋を活用するようになっていきますし、部屋がなかった子は「自分の部屋が欲しい」といってくるでしょう。
大切なのは、いざ自分の部屋で過ごすようになった時に、子ども部屋が勉強しやすい空間に整うよう、机の配置を工夫してあげることです。詳しくは次ページ以降で紹介します。
一方で、家の間取りや家族構成などによって子ども部屋を作ることが難しくても問題はないかなと思います。子ども部屋がなくても、子どもが集中できる環境をつくるコツはたくさんあります。
22ページで紹介したように、リビング学習をするときに子どものスペースをパーテーションで区切ったり、ほかの家族のいる空間でも集中できるよう壁に向かって勉強できるように机を設置したり、イヤーマフなどを用意したりという方法もあります。詳しくは次のページで紹介します。
【出典】『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』著:石田勝紀
【書誌情報】
『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』
著:石田勝紀
本書『頭のよい子の育て方』では、「頭のよい子」とは、単に学力や成績が優れた子どもを指すのではなく、その子自身の特性やタイプに応じた能力や個性が発揮されている状態を意味すると提案します。著者は、親として子どもの個性に合わせた育児の重要性を強調し、シンプルで無理のない生活環境を整えることが、子どもの健全な成長を促す鍵であると説いています。また、親の都合で育児を進めるのではなく、子どもの特性に合ったアプローチが必要であることを具体的な例を交えて解説しています。子どもの成長をサポートするための実践的なアドバイスが満載の一冊です。
公開日:2024.09.01