勉強は「タスク」ではなく「時間」で区切ろう
ダラダラやる子には時間の感覚がないだけ
宿題に関するお悩みのなかには、「10分ぐらいで終わるはずの勉強を、うちの子は1時間かかってやっています」という相談も少なくありません。
これは96ページで紹介した通り、まだお子さんに時間の概念が育っていないことも要因のひとつです。
時間の概念を育てるために、「算数ドリルは毎回10分」というように区切って、10分の感覚を学べるようにしてあげましょう。
時間で区切るほうがやる気が上がる
勉強にひと区切りつけるとき、つい、「このページが終わったらおしまいにしよう」と声をかけてしまってはいませんか?
子どもの集中力が切れて、やる気がなくなっているときに、「ここまで終わらないと休憩してはダメ」といわれると、ダラダラしてしまって、いつまでも終わりません。その一方、「10分がんばったら休憩にしよう」といわれたら、「10分だけならやっちゃおう」という気持ちが働き、決められた時間内でやるだけやるという習慣が身についていくのです。
これは極端な例ですが、今日の勉強時間内に終わらなかったものは翌日にする、と割り切ってしまうのもひとつの手です。
「30分間」より「10分間を3回」のほうが進む
大切なのは、タスクベースではなく時間ベースで取り組むことです。場合によっては、10分でおしまいといわれても、ぼーっとして何もせずに終わってしまう子もいるかもしれません。
でも、ぼーっと終えてもよいのです。
子ども自身が、やりきれずに終わっていることを一番わかっているので、やっていないことを繰り返していくと自分の無能さを感じます。
すると、どこかで自分から取り組み始めるようになります。
勉強をする場合の区切り方
×30分間続けて勉強をする
◎10分間勉強×3回を繰り返す
10分勉強 + 休憩 +10分勉強 + 休憩 +10分勉強
この方法を通して、集中してやりきることや、時間の感覚を身につけられ、効率的に勉強できるようになっていくはずです。ただし、この10分は個人差があるため、単純に10分がいいと設定しないほうがよいでしょう。5分しか集中できないのであれば、はじめは5分で始めていきます。15分が可能なら15分で設定します。
子どもによって、また成長によって時間設定は変わりますので、どれくらいの時間がよいか子どもと一緒に調べてみましょう。
押しつけは百害あって一利なし
どんなことでも、押しつけになってはよくありません。
押しつけは百害あって一利なしです。親御さんのお悩みをよく聞いてみると、「しつけ」ではなく「押しつけ」になっていることで、うまくいかなくなっているケースが多々あります。力学の法則通り、押しつけにはかならず反作用が起きます。
反作用は、何年か経ったあとに倍返しで向こうからくるので、注意したほうがよいでしょう。
【出典】『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』著:石田勝紀
【書誌情報】
『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』
著:石田勝紀
本書『頭のよい子の育て方』では、「頭のよい子」とは、単に学力や成績が優れた子どもを指すのではなく、その子自身の特性やタイプに応じた能力や個性が発揮されている状態を意味すると提案します。著者は、親として子どもの個性に合わせた育児の重要性を強調し、シンプルで無理のない生活環境を整えることが、子どもの健全な成長を促す鍵であると説いています。また、親の都合で育児を進めるのではなく、子どもの特性に合ったアプローチが必要であることを具体的な例を交えて解説しています。子どもの成長をサポートするための実践的なアドバイスが満載の一冊です。
公開日:2024.09.29