12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【セリーグ4位】広島東洋カープ
【2021シーズン成績】
63勝68敗12分
勝率 .481
得 点 557 ③
失 点 589 ⑤
本塁打 123 ④
盗 塁 68 ③
打 率 .264 ①
防御率 3.81 ⑤
【今季PLAYBACK】投打で世代交代が着実に進行!若手の台頭で楽しみは多い
勝ち星には直結しなかったが、今季のカープは本格的に世代交代と育成に力を入れ、リーグ3連覇の残像から新しいチームに生まれ変わろうとしている。特に野手陣は若手の台頭が著しかった。高卒5年目の坂倉将吾が完全に覚醒し、リーグ2位の打率・315をマーク。打てる捕手&一塁手として頭角を現すと、3年目の小園海斗も正遊撃手を奪取。打率・298と恐るべき打撃センスを披露した。守備はまだ課題が残るが、本拠地・ズムスタの内野守備は難易度が高く、かなりの伸びしろが残っているだろう。
さらには同じく高卒3年目の林晃汰も重用され、102試合で打率・266、10本塁打を記録。ムキムキの下半身でスイングには数字以上の迫力があり、将来の4番たる資質を示した。その他、西川龍馬、宇草孔基なども伸び盛りで楽しみは多い。主砲・鈴木誠也はメジャー挑戦が濃厚だが、若手野手の充実度は12球団随一といえるだろう。
先発陣は九里亜蓮が13勝9敗で最多勝。大瀬良大地、森下暢仁が3本柱を形成し、左では玉村昇吾や床田寛樹が防御率3点台にまとめた。ドラ1ルーキーの栗林良吏は53試合で37セーブ、防御率0・86の圧倒的な数字を残し、守護神問題は解決した。大きな課題として残るのは、リリーフ陣。ドラ2の森浦大輔が54試合で防御率3・17の好発進を決めたが、全体的にリリーフは防御率3点台後半〜4点台で誰が出ても安心はできない。優勝に手に届くかは微妙だが、若手の成長を楽しむことはできそうだ。
鈴木誠也は当然のチーム三冠。森下暢仁もリーグ4位の防御率2.98を記録した。ただ、少し心配なのは、走り屋がいなくなったこと。カープは伝統的に走れる選手が揃った年に優勝を収めており、打撃一本での優勝はない。そのあたりの歴史をどう捉えるか?
出典:『がっつり! プロ野球(29)』
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公開日:2022.02.10