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上原浩治が唯一、自分から逃げた”あの一球”とは?

5月20日に引退会見を行った上原浩二氏。ジャイアンツ入団1年目の20勝と沢村賞、WBC優勝、レッドソックス時代にリーグチャンピオンシップMVPなど数多くの業績を挙げた。

中でも特筆すべき記録は日米通算100勝、100セーブ、100ホールドの記録だろう。これはNPBでは史上初、日米でも通算二人目の偉業である。

巨人入団から8年間は先発投手として活躍。99年、02年に沢村賞、04年には最優秀防御率のタイトルを獲得するなどバツグンの成績を誇ったが、07年はチーム事情から抑えを任され32セーブ(4勝3敗)で防御率は1.74。抑えへの適性を証明するも、当時は先発という役割への思いも強く、08年は先発復帰(6勝5敗1セーブ5ホールド)。

メジャー行き後、オリオールズに在籍していた10年より中継ぎ、抑えを務めるようになり結果としてメジャーリーグ在籍の9年間で95セーブ、81ホールドを挙げた(22勝26敗、防御率2.66)。

座右の銘は有名な「雑草魂」。勝負を避ける敬遠を嫌ったが、現役生活の中で唯一、自分から逃げた一球があったという。それはテキサス・レンジャーズに在籍していた11年、アメリカンリーグ優勝決定戦でのミゲル・カブレラとの対戦。

「スプリットがインコースに行ってそのまま(打球は)ポール際に入ってった」と語る上原氏。同年のプレーオフではこの本塁打を含む3戦連続本塁打を喫し、続くワールドシリーズではロースターから外れてしまった。

だが13年のポストシーズンではセーブのタイ記録(7セーブ)を作り「やり返せたかなとは思ってる」という上原氏。日米のプロ野球史に深々と刻んだその名を、いずれは指導者としてさらに高めていってほしい。

※ミゲル・カブレラとのエピソードは『メジャーリーグ 世界一の組織と選手たち』(建山義紀:著)より

『メジャーリーグ 世界一の組織と選手たち』
https://www.nihonbungeisha.co.jp/book/b348557.html