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「縁が人をつなぐ」多村仁志の野球人生

Text:高宮悠子

【元横浜ベイスターズ/ソフトバンクホークス/中日ドラゴンズ 多村仁志さんトークショー】

5月27日、今回の『ラブすぽ』トークショーゲストは横浜ベイスターズ、ソフトバンクホークス、中日ドラゴンズに在籍された多村仁志さん。

開始時間となり多村仁志さんがステージに登場すると、ファンの方のボルテージはいきなり最高潮。スマホのシャッター音がすごい。


スーツ姿を想像していたが、黒キャップ、白いTシャツ、黒いカーディガンに黒い短パン、白スニーカーに黒縁メガネと、カジュアルだけどモノトーンで少しシックな感じの多村仁志さん。思わずおっしゃれ〜と言いたくなったのは私だけではないはず。

多村さんは、クールに見えるけど熱い男。なるほどな〜と思うエピソードが盛りだくさんだった。まずは現在メインにされているメジャーリーグの解説の話から。メジャーリーグをきちんと解説したいと、ご自身でアメリカまで野球を見にいく徹底ぶり。

現役時代は、常に「守備は投手のため」という考えのもとに守備をしていたそうだ。そんな姿勢を知っている投手は感謝してくれるというのですが、「それは当たり前のことでなぜなら野球はチームプレーだから。絶対に一人でできるものではない」「優勝という経験も周りの支えがなければなし得ることはできない」と熱く語る。

実は中学校では投手をしていたそうで、多村仁志さん135kmを出すこともあったそう。高校の推薦はいくつかの高校からあったのだが、最終的に選んだのは名門横浜高校。


1学年100人越え、推薦でもグラウンドに入れず、ほとんどの1年生はボール拾いと、草むしり、声出しにひたすら耐える。
きっとその時に培った忍耐力、挨拶や礼儀がずっと生きているんだと思う。

1994年にドラフト4位でベイスターズに入団、多村さんが目立って活躍し始めたのは2003年。右打ちのホームランバッターがいないからと、当時のコーチと二人三脚で一から練習して自他共に認めるホームランバッターとなり活躍。持ち前のセンスと野球脳、全力で取り組む姿勢で球団の顔となる選手になっていったのだ。

多村さんの声はホンマに・・・

それにしても、多村さんてエエ声してる。そしてエエ匂いする。笑そして本当に野球が好きなんだ。というのが伝わってくるトークショー。ボールの回転のことまで、詳しく、分かり易く、嬉しそうに説明してくれる。そんな一つ一つご自身の野球観を言葉にして伝えていく多村仁志さんを観て、泣いている人もいた。

人との繋がりはほんとご縁で、ご縁を大切にしたいと思うタイプ。ホークスへのトレードもご縁。今回のラブすぽトークショーもご縁。ご縁がご縁を生み、そのご縁が人を繋ぐ、そこを大切にしているから、移籍しても、引退してからも福岡に後援会があるのもそんな多村さんの人柄じゃないのだろうか。


多村さんのお人柄はサインの際にも素敵だった。やはり、ほんの一握りの人しか活躍できない場所で活躍してきた人はオーラが違う。

マニアックなファンの方がサインしてもらおうと持ってくる、写真や雑誌の表紙を見ながら、「懐かしっ!」「こんなのも持ってくれてるんですね!」と丁寧に応える。ファンの方々は、終始微笑ましく、その姿を見守る。

最後は時間が短かった。現役引退すると、こんな風にファンの方と触れ合うこともなくなる。今回のご縁に本当に感謝しています。またやりたい。と嬉しそうに語ってくれた。もし次回開催できるなら、どんな話が聞けるか今から楽しみだ。

『ラブすぽ』ライター:高宮悠子
山形県生まれ。
野球なら松坂、サッカーなら中村憲剛世代。スポーツ全般好きだが、突き詰めたのはハンドボール。学生時代はプレーヤーとしてハンド三昧。大学卒業後タレントの道へ。結婚、出産、離婚を経て一人娘を持つシングルマザー。
現在はハンドボールの国内戦、国際戦などスポーツの現場を中心に活動する運動神経だけには自身のあるMC。

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