プロ野球カムバック列伝
不屈の闘志で復活を果たした男たち
多くのプロ野球選手が経験する、選手生命の危機となるようなケガや故障。しかしこれまでには、絶望的と思われた状況でも決して諦めず、不屈の闘志で奇跡の復活を果たした凄い男たちがいた!
多くの打者を翻弄したガラスの天才右腕!
1997年の伊藤智仁
『伝説の投手は、二度輝いた!』
目が覚めるような150キロを超える剛速球と、真横に滑る高速スライダーを武器に、社会人時代にはバルセロナ五輪日本代表として1大会27奪三振というギネス記録も樹立したヤクルトの伊藤智仁。プロ1年目の1993年には前半戦だけで7勝2敗、防御率0.91という強烈な数字を残し、そのシーズンは中盤である7月4日に戦線離脱したにもかかわらず、新人王を獲得。しかし、そこから2年以上もの間、右ヒジ痛とルーズショルダーに悩まされ、ようやく復帰したのが1996年の5月。その年は振るわずも翌年の1997年には自慢の速球が息を吹き返し、7勝2敗19セーブをあげ、カムバック賞を受賞した。結局伊藤は、その翌年こそ8勝を挙げるも、それからはまたケガに悩まされ続け、再起は叶わなかった。
【初出】がっつり!プロ野球21号
『がっつり!プロ野球26号』1月30日発売!!
公開日:2020.05.11