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スポーツクライミングのオブザベーションとは?【ようこそクライミングの世界へ】

Text:尾川とも子

ホールドの位置を観察する時間が与えられている

 スポーツクライミングのスピード・リード・ボルダリングのうち、リードとボルダリングではその日初めてみるホールド(石)の配置がされた壁を選手たちは登っていきます。そこで、オブザベーションタイムといい、選手たちはホールドの配置を観察する時間が与えられます。リードでは6分間、ボルダリングでは決勝のみ2分間のオブザベーションタイムが設けられています。ボルダリングの予選では、オブザベーションを含めて5分の競技時間と決まっています。





他の選手と相談してもよい!?

 オブザベーションタイムでは、出場選手が全員出てきて望遠鏡を片手に隅々までホールドを見渡します。配置を覚えたり手順足順をイメージしたりするのです。そして、初めてオブザベーションタイムを見る方が一番驚くのは、他のライバル選手たちと相談している様子です。

 手順足順がわからないところ、難しいところをどう攻略するかを相談しています。選手たちは時に順位を争う「ライバル」であり、窮境をともに乗り越える「仲間」でもあるのです。ですから、相手に嘘の手順を教えようといった気持ちは選手たちにないのです。

阿波踊りに似ている!

 オブザベーションタイムで、選手が両手を上げ、ホールドの配置に合わせて手足を動かし、身体にイメージを叩き込む様子はあたかも阿波踊りのように見えることから、私たちクライマーの中では、「阿波踊りタイム」と呼んでいたりしました。

 リードなど、時に選手は70個から80個近いホールドの配置を覚えていくので身体を使った方がしっかり覚えこめるのです。選手たちは真剣ですので、阿波踊りと聞くと笑ってしまうかもしれませんが、ぜひ静かに応援して下さい!