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王道を自ら切り崩したサイド転向で切り開いた道!高梨雄平/読売ジャイアンツ

Text:落合初春

プロ入り後、上位指名選手をごぼう抜き!?ドラフト下位指名からの下克上列伝

実力勝負のプロ野球の世界。スタートラインさえ違えど、己の体ひとつで成り上がった元隠し玉たち。ドラフト指名時にはあまり知られていなかったが、チームの主力に成り上がった男たちの下克上を紹介したい。

サイド転向で拓けた道!これぞ会心の指名だ

【高梨雄平/読売ジャイアンツ】
2016年ドラフト9位


野球人生山アリ谷アリ――。そんな言葉がよく似合うのは高梨雄平だろう。川越東から早稲田大に進学。1年春から登板機会を得ると、1年秋には5勝1敗、2年春には4勝1敗を挙げて、早稲田のエースに名乗りを上げる。3年春の東大戦では完全試合も達成したが、その後は不調や左肩痛に苦しみ、イマイチな成績に。

名門・JX–ENEOSに進んだが、得意な打撃込み、投打両面での評価だった。ただ、投手として飛び抜けた存在ではなく、社会人2年目の夏にサイドスローに転向。

スライダーが苦手だったため、左打者の内角を突き続けたのを楽天の後関昌彦スカウトだけが高く評価したのだった。サイド転向からわずか数ヶ月でのドラフト指名。隠し玉中の隠し玉といえるだろう。

その後、高梨は自ら「独特」を求め続けた。王道を自ら切り崩したサイド転向。そのベースがあるからこそ、生き抜くために効果を追い求める。高梨は天然ではない「努力の変則派」だ。

出典:『がっつり! プロ野球(32)』

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