オリックス・バファローズ 若月健矢選手、榊原翼投手、中川圭太選手トークショー
ちょうど1年経ったのだな。感慨を抱いて、オリックス・バファローズの若月健矢選手、榊原翼投手をお迎えしました。見た目の印象で言えば、若月健矢選手は少し大人っぽくなり、榊原翼投手は比較的わっていないように思われました。
ファンの皆様はよくご存じでしょうが、野球人としてはお二人とも著しい成長を遂げています。選手会長も務める若月健矢選手は138試合に出場し、正捕手の地位をより確かなものにしました。榊原翼投手は4月17日に初勝利、その後も2つの白星を勝ち取りました。右肩痛で離脱を余儀なくされた時期もありましたが、9月に復帰登板を果たしました。
今回初登場となったのが中川圭太選手です。ドラフト7位、支配下選手の最も終盤での指名だったのが信じられないような活躍でオリックスファンを沸かせました。
そのドラフトの時の心境を生々しく語ってくださいました。2018年、東洋大学からは中川圭太選手の他3人の選手がドラフト指名を得ました。甲斐野央投手が福岡ソフトバンクホークス1位、上茶谷大河投手が横浜DeNAベイスターズ1位、梅津晃大投手が中日ドラゴンズ2位です。3人の指名の後、大勢の報道陣の前でただ座っている1時間半を過ごすことになりました。
もうこのまま選択終了するのではとぼんやりしてきつつあった頃に、ようやく名前を呼ばれて驚いたそうです。地元の京セラドームに子どもの頃からよく観戦に訪れていた中川圭太選手にとって、オリックスからの指名は嬉しいものでした。
ルーキーの中川圭太選手も3年目の榊原翼投手も、若月健矢選手のことはとても頼りにしています。中川圭太選手は最初のうち、若月健矢選手のことを、口数が少なくて近寄りがたいと感じていました。そのような印象をもたれることについて、若月健矢選手ご自身が、球場ではキャッチャーとしての自分を作ってしまう、とおっしゃっていました。
普段よりもしっかりしなければと自制心が働く結果、気さくな雰囲気ではなくなってしまうのだそうです。遠征の後、一緒に食事をしたのをきっかけに、2人は打ち解けるようになりました。食事会を企画したのは後藤駿太選手でした。
榊原翼投手は、キャンプ中に若月健矢選手にお叱りを受けたことがありました。他の投手がまだブルペンで投げている間にいち早く練習を切り上げると、チーム内の競争を勝ち抜く気があるのかと諭されたそうです。
反省し、発奮した榊原翼投手は、翌日250球を投げました。榊原翼投手を早く一人前にというのはチームの願いであり、コーチからも厳しめに指示するよう言われているのだと若月健矢選手が教えてくださいました。
厳しいコーチとして、榊原翼投手は高山郁夫さんの名前を挙げました。コーチと自分との相性はどうなのだろうかと気になり、占いで見てもらったところ、親子のような関係と言われ、納得したそうです。成長させたい熱意の溢れる指導を受け、よりいっそう投球術が磨かれることでしょう。
中川圭太選手は来季の目標について、サードでレギュラーをつかみとることだときっぱり断言しました。打順は3番か5番を希望、今の67番も気に入っているけれど密かに狙っている背番号もあるとのことです。
若月健矢選手の今後の課題は打撃とおっしゃっていました。19年シーズンはオープン戦や開幕直後は好調でホームランも打てましたが、その後調子が落ちると再び上げることが難しくなってしまいました。チーム内の競争も活性化しており、打撃も守備もさらなる向上が見られるに違いありません。
2020年、若き猛牛戦士たちの本気に要注目です。
『ラブすぽ』ライター:遠藤玲奈
池田高校のやまびこ打線全盛期に徳島に生まれる。慶應義塾大学法学部卒業、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。選手としての経験はないが、独自の方法で野球の奥深さを追究する。特に気になるポジションは捕手。フルマラソンの自己ベストは3時間31分。
公開日:2019.12.29