大投手たちのピッチングフォームはみんな違う
戸郷翔征が7回1失点のピッチングで4勝目をあげた。どのような素晴らしいピッチング内容だったかは大手新聞社の記事などを見て欲しい。
「ラブすぽ」では、彼のピッチングフォームを改めて検証したい。
戸郷翔征はいわゆる「アーム式投法」だ。プロの世界では珍しい。
そして、この「アーム式」を悪いフォームだと言う指導者や解説者は昔から多い。
理由は「ケガをしやすい」「球の出所が見えやすい」などが主な理由だ。
確かにそういうイメージはあるが、実際のところはわからないはず。「アーム式ピッチャーのケガ率」なんて調べようがないはずだから。
人によって投げやすいフォームは違う。そもそも「世間で言う理想的なフォーム」なのにケガをしたり、活躍できていないピッチャーはごまんといる。「理想的」を言い出したらアンダースローなんて説明のしようがない。
結果を出せば周りは何も言わなくなるのがプロの世界。今の戸郷翔征にピッチングフォームの修正を求めるコーチや解説者はいないはずだ。
例えば、オリックス・山本由伸投手もアーム式。セーブ数のプロ野球記録を持つ元中日ドラゴンズ・岩瀬仁紀もアーム式だった。
この先、戸郷翔征の調子が悪くなる時期が来るかもしれない。その時になってから「やっぱりフォームがアーム式ですからね」と言い出す解説者が出てくるはずだ。
しかし、その時に巨人ファンは思い出してほしい。「理想的なフォーム」は人によって違う。そして同じ人間でもそれは時と共に変化する。体は年齢と共に変化するからだ。
その点では戸郷翔征の環境は恵まれているはずだ。「人と違うフォームで良い」という18番を付けたお手本がすぐ近くにいるのだから。
公開日:2020.08.06