首脳陣の注目を掻っ攫った横川凱
2月3日、横川凱は首脳陣に見守られながら、変化球を交え、100球の熱投を見せた。
この日は、戸郷翔征、平内龍太ら注目選手と共に横川凱も投げ続ける中、原監督、宮本投手チーフコーチら首脳陣の視線を横川凱が掻っ攫った。
原監督が横川凱を見て、「体つきも大きくなったね。同じ土俵に上がらすことができそうな感じがしますよ」。と語ったようにオフにウェートを強化し、体が大きくなった結果、ボールの質が重くなった。
190cmの長身から「ひねるというよりは、軸足に体重を乗せる意識を強めてやってます」と横川凱が話すゆったりと右足を上げるフォームで投げ下ろされるボールは、球の出所が分かりづらく、角度ある直球がズシリと重いボールがミットに収まっていた。
進化した横川凱の投球を目の当たりにした原監督は、「去年に比べると全体的に上がってきている。楽しみな、見た感じの立ち居、投球スタイル、ざま、そういうのが非常に良く映る。パワフルな投手」と絶賛した。
宮本投手チーフコーチも「化けそうな気配。横川という選手が独り立ちしそう。滑走路で待機している。飛び立つかなという感じ」と横川凱のブレイクを予感した。
昨シーズンの1軍デビュー戦が大きな自信に
横川凱の1軍初先発は、昨年の東京ドーム最終戦であるヤクルトスワローズとの一戦でチャンスを掴んだ。
東京ドーム最終戦と坂本勇人の2000安打が掛かった大切な試合に、独特の空気感の中で迎えた1軍初先発ながらも、横川凱は5回3安打1失点と好投し、勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。
その後、リリーフ陣が打たれ初勝利は見送られたが、鮮烈なデビューを飾った。
この経験が横川凱の自信となり、オフのウェートトレーニングで課題である直球を重みのあるボールに変貌させ、パワフルな投手へと一気に進化を遂げた。
昨年は先発ローテーションを守り続けた先発左腕は不在で、チームの一つの課題だった。
そんな中、現れた高卒3年目の横川凱に原監督や宮本投手チーフコーチが惚れ惚れするのも仕方のないことだ。
巨人の先発左腕候補といえば今村信貴、田口麗斗、高橋優貴が名を連ねるが、原監督は「同じ土俵に上がらすことができそう。田口、今村、優貴もおちおちできないね」と横川凱の先発ローテーション候補入りを示唆した。
今村信貴、田口麗斗、高橋優貴を横川凱が抑え、開幕ローテーションに名を連ねる程の輝きを放つことができるか注目だ。
公開日:2021.02.05