6打数1安打も自分のプレー見せた山下航汰
12球団合同トライアウトが12月8日に、メットライフドームで行われ、育成での再契約を打診されるも巨人を退団し、自由契約となっている山下航汰など33選手が参加した。
トライアウトはシート打撃形式で、0アウト1ボール1ストライクから行われ、シートノックでは山下航汰は、ライト、一塁の守備につき、内外野を守れるユーティリティー性をアピールした。
打撃では、元阪神タイガース左腕・石井将希と対戦した1打席目は、カウント2―2から、5球目142キロを弾き返すも二ゴロに倒れ、元オリックスバファローズ右腕・神戸文也と対戦した2打席目は、センターフライ、3打席目は2013年ドラ1右腕の元オリックスバファローズ・吉田一将と対戦し、初球142キロを捉え掛けるも、再びセンターフライとなった。
4打席目は、元千葉ロッテマリーンズ左腕の永野将司と対戦し、カウント1-2からの4球目の147キロストレートに手が出ず見逃し三振、元DeNAベイスターズの右腕・風張蓮との5打席目は、初球143キロをバットに当てるも一ゴロに倒れ、最後の打席となった6打席目は元西武ライオンズの左腕・小川龍也と対戦し、2ボールからの3球目136キロを逆方向にはじき返し、しぶとく三遊間を破って、最後の打席でレフト前ヒットを放った。
最初の3打数無安打の山下航汰を視察した新庄監督は、打撃面では面白い存在と評価し、守備面については、肩が気になったと語り、日本ハムファイターズに来た場合は、DHでの起用が面白そうと、具体的に起用する場面も想像したと伝わる。
6打数1安打の結果に終わった山下航汰は、トライアウトという独特の緊張感の中で参加し、手応えもあったと自分のプレーを発揮できたことを明かした。
山下航汰は大阪桐蔭・根尾昂(中日ドラゴンズ)、藤原恭大(千葉ロッテマリーンズ)、報徳学園・小園海斗(広島カープ)といった高校生に1位指名が集中した2018年の育成ドラフト1位で巨人に入団。イチロー以来27年ぶりの高卒1年目でのファーム首位打者を獲得した実力は本物で、打撃だけを見れば山下航汰は根尾昂、藤原恭大より上という評価を他球団もしており、巨人退団を受けて、他球団が獲得調査に動いている。
山下航汰の獲得に興味を示している可能性がある球団は、主砲・鈴木誠也のメジャー移籍が濃厚な広島カープや、根尾昂ら若手が伸び悩み、かつ長打の打てる打者も欲しい中日ドラゴンズ、そして新庄剛志新監督が率いる日本ハムファイターズなどが考えられる。
トライアウトを戦い抜いた岡本和真を超える逸材と期待された山下航汰が、新天地で来シーズン大きく羽ばたく姿を見られることを期待したい。
公開日:2021.12.11