FA行使決断の山崎福也

阪神タイガースが11月5日、3勝3敗のタイで臨んだオリックスバファローズとのSMBC日本シリーズ2023第7戦を制し、38年ぶり2度目の日本一を達成し、今シーズンの公式戦は全日程を終了。6日からFA権を持つ選手の去就にも注目が集まるストーブリーグに突入し、14日で申請期間が締め切られた。

山崎福也は、球団に5日の日本シリーズ第7戦終了後、8月に取得した国内ＦＡ権行使の意思を伝え、7日にFA申請書類を提出した。

9年目の今シーズン、オリックスバファローズの先発ローテーションの一角としてポジションを確立し、自身初の2桁勝利となる11勝を挙げ、リーグ3連覇に貢献した山崎福也の獲得へ向け、本格調査を各球団が進め、入団交渉へと入っている。

山崎福也は、8月27日に国内FA権を取得しており、今シーズンの年俸が推定6000万円で、金銭や人的補償が発生しない外国人選手を除き年俸が球団内で11位以下Cランクとみられ、FA宣言すれば複数球団が獲得に乗り出す可能性があるFAの目玉として注目を集めている。

5球団での争奪戦勃発の山崎福也の獲得最有力球団とは！？

山崎福也を獲得したい球団として、巨人、ソフトバンク、ヤクルト、ＤｅＮＡ、日本ハムの名前が上がっており、山崎福也のFA行使決断の知らせを受け、本格的な調査を行い、入団交渉を開始した。

巨人は、今シーズンBクラス低迷の一つの原因となったのが、左腕不足だ。左の先発にはグリフィン、メンデス、横川凱がいるが、3人合わせての勝ち星は15勝、負けは18。貯金を作ることができなかった。そこで今シーズン11勝を挙げた山崎福也を加え、左腕で貯金を作れるチームにしていきたい狙いがある。

さらに、山崎福也の父・章弘は、元巨人の選手で、捕手と内野手でだった。2020、2021年には巡回コーチとして秋広優人や中山礼都などの若手を指導した経験もあり、山崎福也本人も印象は決して悪くないはず。FA移籍するなら、1番の有力候補となってくるかもしれない。

11月18日、巨人は山崎福也と阿部監督同席で入団交渉を行い、条件面では4年以上の長期契約で総額10億円超と山崎福也が2020年から愛用する背番号「11」の用意、先発ローテーションの確約を提示して最大限の誠意を伝えた。

続いて、ソフトバンクは、3年連続で優勝を逃し、12球団で唯一規定投球回に到達した投手はおらず、2桁勝利も10勝をマークした有原航平のみ。左腕に限れば、42歳の和田毅がチーム2位の8勝。開幕投手を務めた大関友久は体調不良による離脱もあって5勝に終わった。先発ローテーションの再建は急務で、実績を残した山崎福也は今オフの補強ポイントに合致しており、4年総額12億円プラス出来高払いの好条件を用意して獲得を目指す山川穂高とのW獲りでV奪回を目指す。

ヤクルトは、今シーズンのチーム防御率3.66が12球団ワーストという結果に終わり、覇権奪回に向けて投手陣の整備が課題となっており、先発でもリリーフでも実績があり、補強ポイントに合致する山崎福也を獲得したいと獲得調査を行ってきた。

交渉解禁日の16日には、松山から駆けつけた高津臣吾監督も同席で4年8億円超の大型契約と今季まで背負った背番号「１１」を用意し、即日アタック。一番、山崎投手を必要としているチームが、スワローズだと思っていると誠意を示して直談判した。

DeNAにとっては、今シーズン、先発ローテーションの軸だったエース今永昇太がポスティングシステムでのメジャー移籍が濃厚で、バウアーの去就は不透明な状況にあり、補強ポイントの先発投手陣の強化として、山崎福也の獲得を目指している。

今後行う交渉の場に三浦大輔監督が同席する方向で最終調整に入っており、初交渉したヤクルトと同等の4年総額8億円以上の条件を提示すると見られ、番長の直接アタックで最大限の誠意を示すつもりだ。

今オフは上沢直之がポスティングシステムを利用してメジャー挑戦することを表明したことで、先発投手陣を安定させるため、日本ハムファイターズも山崎福也の獲得に動くことを決めた。来季就任3年目を迎える新庄監督は続投会見で、8年ぶりのリーグ制覇への意気込みを語っており、獲得となれば球団にとって初の「FA投手補強」を行い、フロントも最善を尽くしてサポートする構えだ。

オリックスバファローズで大きく成長を遂げ、FA権行使を決断した山崎福也が、来シーズンどこのユニフォームを着ることになるのか注目が集まっている。