2年連続MVP期待のグラシアル
今シーズン、コロナウィルスの影響で来日が遅れるも、69試合に出場し、打率.277、10HR、35打点を挙げたジュリスベル・グラシアル。
レギュラーシーズンで暴れきれなかった分、日本シリーズで大暴れを狙うグラシアルには達成が期待される偉業がある。
それは、昨年までで70回を数える日本シリーズの球史で達成したのは、長嶋茂雄(巨人)、堀内恒夫(巨人)、工藤公康(西武)の3人だけという2年連続の最高殊勲選手(MVP)の受賞だ。
昨年の日本シリーズはグラシアルの独壇場だった。第1戦で逆転2ランホームランを放ち、第3戦では同点ソロホームランを放つと、第4戦では菅野智之から4回に先制3ランホームランをかっ飛ばした。4試合で計16打数6安打の打率.375、3本塁打、6打点と文句なしの成績で外国人選手11人目のMVPを受賞した。
今シーズンも昨年の日本シリーズのいいイメージを持って挑むと共に、今シーズンは全ての試合でDH制が導入されることが発表され、グラシアルは打撃に専念できるプラス材料も飛び込んできた。
過去に2年連続で日本シリーズMVPは1969-70年長嶋茂雄、1972-73年堀内恒夫、1986-87年工藤公康の3人だけで、グラシアルが達成すれば西武ライオンズで現役だった当時の工藤公康監督以来となる33年ぶりの快挙で、野手では長嶋茂雄が成し遂げて以来、半世紀ぶりの大記録となる。
球史に輝く名選手に肩を並べるだけでなく、外国人選手として初の快挙となるが、グラシアル本人は「そのことは全く考えていない。チームのために、一戦一戦全力で戦うだけだよ」と冷静に試合に挑む準備を整えている。
外国人選手として初の快挙となる2年連続の日本シリーズMVP獲得へ向け、初戦からホームランを放てるか注目だ。
公開日:2020.11.21