「チームの戦績に頼らない運営がマーケティングの世界では定石である」その考えと出会ったのは母校でのスポーツマーケティングの授業でした。
様々なプロクラブでの経験を持つ方を講師として招き、NBAの試合にも招待してもらったりと、強化一辺倒に偏っていた世界観を一気に広げてくれました。
そのとき率直に感じたのが「時間が足らない」ということで、プレーしながらクラブに関する発信などに力を入れている理由です。
日本に帰国してからは、良く悪くもスポーツクラブの内側を知り、まだまだやれることが山ほどあると感じました。
当時は特に、冒頭で紹介したような考えが浸透している印象が薄く、なでしこブームが一過性となってしまったことにも繋がっているように感じていました。
自分なりに少しづつ行動に起こしながら、選手だからできること、選手だからこそやれないことなど、様々なことを学びましたが、一番の大きな収穫は仲間の存在です。
いまの所属先ではかなり自由に行動させてもらっていますが、最初の頃はなかなか難しいと感じていました。
どうやって突破口を開くか可能性を模索しているうちに、クラブのポテンシャルを信じ、協力してくれる人たちと出会いました。世田谷のクラブのためになることがあればと。
「東京は都民同士で繋がりを感じるというより、世田谷なら世田谷区民同士で絆や繋がりを感じる」とある方に言われた言葉ですが、まさにその言葉の通りなのでしょう。
スフィーダ世田谷FCという、東京でもなく、世田谷のチーム。きっと、世田谷で生まれ育ったGMにとっては自然に浮かんできたのでしょう。
クラブの背景を知り、地域に根ざすクラブのあり方を学ぶにつれて、スフィーダ(イタリア語で挑戦という意味を持つ)を通して世田谷を盛り上げていく重要性をより強く感じています。
手探りで取り組んでいるものをどのように積み重ねていくのか、クラブとしての課題はまだまだたくさんありますが、共有のビジョンのもとに人が集まりつつあるので、目的を見失わない限りはきっとなるようになると感じています。