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【女子サッカーW杯】開幕まで一ヶ月! 放映権問題を考える!≪現役なでしこリーガー・樫本芹菜≫

Text:樫本芹菜(スフィーダ世田谷FC)

女子サッカーW杯の開幕までいよいよ1ヶ月を切りました。

日本代表であるなでしこジャパンも大会前最後の合宿が始まり、最近はもっぱら受信専用となってしまっている私のSNSも女子サッカーの話題が増えてきました。

 

その中で今日のテーマとして取り上げたいのが、今大会における放映権問題です。

FIFA(国際サッカー連盟)が提示する放映権料が非常に高額で、テレビ局側からの提示に大きなギャップが生じていることが交渉を難しくしているようです。

 

この問題は日本に留まらず、ヨーロッパの主要サッカー国も交渉が難航していましたが、ヨーロッパ放送連合が持つ独自のデジタルプラットフォームおよび、放送ネットワークにおいて、毎週最低1時間は女子サッカーに特化した番組を放送するという条件付きで交渉が落ち着いたようです。

 

これらを受けて、日本女子プロサッカーリーグであるWEリーグがクラウドファンディングの立ち上げを発表しましたが、個人的にはいますぐどうこうというよりは、今大会を受けて今後をどう捉えていくかということが大切になると思っています。(毎大会に全てを賭けている選手たちには申し訳ない発言ですが。。)

 

そもそもの今回のFIFAからの高額な放映権の裏側には、慈恵事業ではないので普通にビジネスをしようという点があるかと思いますが、その一端には近年海外諸国でみられている、女子サッカーの単なるスポーツを超えた社会活動としての取り組みがあるのではないでしょうか。

 

私がよく例として取り上げるアメリカは、とにかく選手たちのモチベーションが異常です。

怒りにも似た強い意志を持ち続け、政府を相手取った発信もやり遂げてしまいます。アメリカ女子サッカーの歴史を振り返る記事を読み漁ると、形は違えど、どの時代でも女子サッカーを未来に繋げようという意志が働き続けてきたことが読み取れます。

 

それだけの歴史を辿ってきた国だけあって、今大会のアメリカ代表の公式SNSが発信した動画冒頭ではバイデン大統領夫妻が登場。

その後もテイラー・スウィフトを初めとした米国著名人が次々と登場し、登録選手発表の段階から注目を浴びています。

 

政治が絡むことで慎重に取り扱わなければならない問題が生じることも多々発生しますが、同時に、政治が介入するレベルであることは、それだけ社会への影響を認められていることでもあるため、その市場価値も当然あがってきます。

投資をしてくる算段があれば額が吊り上がるのも納得ですし、他での交渉においても「女子サッカーの発展に繋がる」という大義名分が立てば、仮に差額が生じていたとしても角が立ちにくいというロジックを働いている印象を受けています。

 

そうなったとき、女子サッカーのみに止まらず、日本社会そのものを見渡すと、今回の問題に直面することは至極当然のように感じ、そもそも海外諸国のようなムーブメントをなぞろうとすること自体が無謀なようにも思えます。

 

私自身の中で具体的なイメージがあるわけではないのであまり踏み込むことはしませんが、周りと違う存在であることを嫌う国民性が日本にはありますが、海を飛び越えた規模で捉えると日本人は十分変わった国民だと感じています。

なので、他によい表現があればぜひ教えていただきたいのですが、「日本らしく尖る」のような方法を考えるというのがまず一つなのかなと。

 

日本プロサッカー選手会理事として大宮アルディージャVENTUSの有吉佐織さんが女性選手として初めて就任されましたが、他にも国内で強い意志を持って動き続けている存在をたくさん知っています。

 

今回の一連で協会ではなく、リーグがクラウドファンディングの立ち上げを表明したという点において、ネガティブな声もありますが、当事者意識を持たない人たちが絡むこと以上に足を引っ張られることはないので、今回を機にそのまま大人しくしてもらっていればいいのではないでしょうか。

その分、リーグそのものが自由に動ける独立国家のような存在となるほうが、全国にいる強い意志を持った個性たちを惹きつける変化を遂げていく可能性をまだ感じます。

 

もちろんリーグとしての存続にはどこかしらで絶対キャッシュポイントを作らなければならず、人も資金も不足する中で目の前の事象に関するアクションに追われる業界事情もたくさん見てきました。

しかし、だからこそ、ここは一旦落ち着いて、改めてビジョン達成のために「やるべきこと」と「やらないこと」の選定、そこからの逆算で必要な役割やそこに適した能力の見極めといった、逆算的思考を様々な角度でできるといいなと思っています。

樫本芹菜noteはコチラ

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