12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【今季の課題】助っ人総入れ替え!若手投手を生かしたい
力にならなかった助っ人陣は総入れ替え。ギャレットがいなくなるのは少し不安だが、すでに最速156キロ左腕のエンスの獲得を発表している。中距離打者のオグレディの入団も決まっているが、最終的には1番打者が肝になる。若林楽人が復帰できるかどうかがカギを握りそうだ。
投手陣はドラ1・隅田知一郎、ドラ2・佐藤隼輔を「学徒動員」といわれない程度に積極起用したい。水上由伸や田村伊知郎などの新戦力も出てきた。これまでの実績にこだわらず、ドラスティックなリリーフ陣再建も必要だ。その上で打線が勢いを取り戻し、打ち勝つことも浮上に向けた絶対条件だ。
辻政権で初めてのBクラスがまさかの最下位。所沢に移転した1979年以来、42年ぶりの最下位で「逆にすごい」と注目を浴びた。1980~90年代のような投手王国復活も見てみたい。
【チームMVP/平良海馬】ド迫力のストレート!スライダーも超一流
高卒4年目にして守護神に定着した平良海馬が敢闘賞。最速160キロのスピードもさることながら、クイックでも150キロをガンガン投げてくる。縦横変化を組み合わせたスライダー、カットボールもやっかいでチェンジアップも投げてくる。
ただ速いだけではなく、ハイレベルな緩急を付けられる。62試合を投げ切ったスタミナと根性もあり、パワーとテクニ ックが同居した完全体になりつつある。右足首を痛めたのは懸念材料だが、崩れるイメージはまったくつかない。
野手は森友哉がチームMVP。打率、出塁率ともに吉田正尚(オリックス)に次ぐリーグ2位。完全復活を印象付けた。
【チーム逆MVP/山川穂高】眠れる獅子の主砲…その怪我はマズいよ
2020年は打率.205、24本塁打と確実性を欠いた山川だが、昨季も打率.232、24本塁打と横一線。出塁率.321はキャリアワーストだった。思い返せば、3月30日、今季1号を放ち、ダイヤモンドを回っている“最中”に左ハムストリング肉離れを起こし、約1ヶ月の離脱。
まだ肌寒い時期とはいえ、不運だけでは済まされないだろう。山川が30本、40本打たなければ、打ち勝つことはできない。
不運だったのは外崎修汰。4月3日に死球で左腓骨を骨折して長期離脱。7月に復帰後はそこそこ打っていたが、秋に不振に陥り、シーズンを終えた。主力の離脱と不調が成績に直結してしまった。
【パリーグ6位】埼玉西武ライオンズ
【2021シーズン成績】
55勝70敗18分
勝率 .440
得 点 521 ⑤
失 点 589 ⑥
本塁打 112 ④
盗 塁 84 ③
打 率 .239 ④
防御率 3.94 ⑥
38歳の中村剛也がチーム打点王はなかなか衝撃的。山川穂高はチーム2位の66打点を記録したものの、得点圏打率.172は絶望的だ。髙橋光成は11勝9敗、松本航も10勝8敗で二桁到達。今井達也も8勝8敗と粘り込んだ。源田壮亮は自身初の盗塁王。
出典:『がっつり! プロ野球(30)』
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公開日:2022.03.09