球界のリトルスラッガー列伝
コイツら、小さな体でタダモノじゃない!
プロ野球界を代表するスラッガーは「見た目」からして常人離れしている選手がほとんど。しかし現在、日本人の平均身長程度ながら驚異の打棒を誇る「小さな大打者」が球界を席捲しつつある!
打撃技術に関しては天才的!
森友哉/埼玉西武ライオンズ
●身長170cm
84センチのバットも、170センチの森友哉が持つと、ひと際長く見える。ただでさえ小柄なうえに、打席では腰をぐっと落とし、重心を低くして構える。すっと立ったバットは身長の約半分の長さ。物理的な長さはもちろんだが、森友哉の最大の特長は「バットを長く使える」ことにある。打撃技術に関しては早くから天才的だった。高校野球界屈指の名門・大阪桐蔭では1年秋から正捕手に。2年時には1学年上の藤浪晋太郎とバッテリーを組み、春夏連覇を達成。3年時には優勝こそかなわなかったが2年時と併せて4季連続で甲子園に出場し、通算12試合で55打数26安打5本塁打、打率.473を記録。本塁打数は当時歴代4位と、高校野球界屈指のスラッガーとして名を馳せた。ドラフトでは西武が1位で単独指名。ただ、身長の低さと打撃力の高さから、入団時から一貫して「捕手からのコンバート」もささやかれ続けていた。実際、プロ入りから5年間、チームの正捕手には炭谷銀仁朗が君臨しており、森の出場は外野か指名打者がほとんどだった。しかしFA移籍で炭谷銀仁朗が巨人へ移籍したことでチャンスが回ってきた6年目を迎える森友哉は「捕手・森友哉」にとってターニングポイントとなった。
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公開日:2020.06.05