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圧倒的な戦力不足も大健闘のロッテで主力に成長した高部瑛斗に続き来季ブレイク必至の山口航輝!

Text:花田雪

12球団完全データファイル2022

オリックス&ヤクルトがともにリーグ連覇を飾った2022年。多くの記録も生まれたメモリアルなシーズンを、詳細データをベースに12球団ごとに細かく振り返ろう!

【パリーグ5位】千葉ロッテマリーンズ

【2022シーズン成績】
69勝73敗1分
勝率.486
得 点 501 ③
失 点 536 ⑥
本塁打 97 ⑤
盗 塁 132 ①
打 率 .231 ⑤
防御率 3.39 ④

【今季PLAYBACK】圧倒的な戦力不足も大健闘!井口監督が築いた機動力野球

一昨季、昨季と2位をもぎ取ったロッテだったが、今年は5位に転落。しかし、レアードとマーティンの両助っ人が打率1割台に沈む中、借金を4で抑えたのは、今季限りでチームを去る井口監督の土壌作りが成功した証ともいえるだろう。

タイトル常連の大スターが不在でも出塁・走塁の意識改革で粘り強い攻撃を実現。今季は大卒3年目の髙部瑛斗が主力に成長し、打率・274、44盗塁、22犠打とかき回した。その他、中村奨吾、荻野貴司が15盗塁、岡大海が12盗塁、和田康士朗が11盗塁、藤原恭大が9盗塁とどこからでも走れるラインアップでプレッシャーをかけていった。

正直、打率は微妙だった選手も多かったが、進塁打やエンドランを絡めた副作用もある。とはいえ、安田尚憲や藤原恭大にはもう一皮も二皮も剥けてほしいところだ。

若手では山口航輝が16本塁打を放ってプチブレイク。最終戦でソフトバンクを沈めた逆転3ランは今季の集大成といえる見事な一発だった。

ただ、投手陣は枚数が足りなかった。美馬学、佐々木朗希、小島和哉、ロメロ、石川歩が20先発を超えたが、6枚目や谷間の先発に苦労。長いイニングを投げられる投手は少なく、規定投球回数をクリアしたのは、3勝11敗と不運に泣いた小島のみでリリーフ陣に負担がかかった。

途中加入のオスナが守護神を務めるようになって、少しは安定したが、救援防御率3・54はリーグ5位。3連投を極力避ける現代的な采配の是非はさておき、代えがきかない選手層は要改善だろう。吉井新監督がどんな投手陣プランを描くのかに注目したい。


髙部の44盗塁はパ・リーグで断トツのトップ。22歳の山口が16本塁打を放ったのも嬉しいトピックスだ。佐々木朗希は9勝4敗で二桁勝利はお預けになったが、規定回数未満でリーグ2位の173奪三振。東條は31歳でキャリアハイといえる成績。

出典:『がっつり! プロ野球(33)』

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