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野村克也&古田敦也に歴代No.1投手と言わしめた伊藤智仁の魔球『高速スライダー』

Text:西沢 直

プロ野球界『伝説の魔球』列伝

プロもうらやむ伝家の宝刀!この球を投げられたら絶対に打てない、打たれない。あまりの変化にバットが虚しく空を切る。人間離れした変化球。リスペクトをこめて、人はそれを「魔球」と呼ぶ…。

野球ファンを戦慄させた

140キロ台のスライダー

●伊藤智仁/ヤクルトスワローズ
【魔球その4:高速スライダー】

ルーキーイヤーの1993年、実働3か月で7勝2敗(5完投4完封126奪三振)防御率0.91という結果を残し、同期に松井秀喜というライバルがいながら、圧倒的な差をつけて新人王となった。伊藤智仁のこの驚異的な成績を支えたのが140kmを超える高速スライダーだ。とにかく曲がる。滑るように曲がる。平均して80センチほどスライドし、調子のいいときには1メートル近く曲がったという。しかも140キロ台のスピードで。打てるわけがない。全盛期の伊藤智仁の女房役・古田敦也は言っている。「最初のうちは捕れなかった」「打者だったらぜったいに打てない」「自分が知っているなかで球界最高の投手を挙げろと言われれば、僕は迷わず伊藤智仁と答える」。当時の監督でもあった野村克也も「長いこと野球をやってきたが、あいつがナンバーワン」だと高く評価している。だが、魔球というのは両刃の剣。肩や肘に負担をかけ、野球生命を奪う。伊藤智仁の野球人生も短かった。それでも、あの高速スライダーは野球ファンの記憶の中に、戦慄とともに深く刻まれている。

 

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