昭和、平成のスーパースターが21世紀にプレーしていたら?球界のレジェンド今なら年俸はいくら?
FA制度の導入を機に、選手の年俸が一気に高騰した日本球界。では、過去の名選手たちが「もしも」現在の日本球界でプレーしていたら一体どれくらい稼いでいるのか?! 妄想を存分に交えながら検証!
“番長”の妄想年俸はONとはまた一味違う!?
日本球界を牽引し続けた「番長」:清原和博
【妄想生涯年俸】
71億7500万円 (年平均7億8324万円)
王、長嶋と比較すると、プレーした時代が30年ほど遅く、ONが経験しなかったドラフトでは涙を飲み、FAではその恩恵も受けた清原和博。それでも、プロ入りした1986年は今から36年前。「一昔前」であることは間違いない。
PL学園で甲子園に5季連続出場、通算13本塁打の不滅の記録を引っさげ、西武に入団した清原和博。1年目の年俸は600万円だったが、現在なら上限いっぱいの1500万円(契約金1億円+出来高5000万円)なのは間違いない。プロ1年目、清原和博は高卒ルーキーとは思えぬ打棒を見せる。打率は・304、本塁打は31本。こんな数字を残した高卒ルーキーは後にも先にも清原和博くらいなので、比較の対象がない。
あえて参考にするのであれば、投打は違えど高卒1年目から大活躍した松坂大輔。1年目に16勝を挙げ、2年目には年俸7000万円と、大幅アップを勝ち取っている。あれから25年近く経っているうえ、インパクトでいえば松坂と同等かそれ以上の清原和博。ここは松坂超え、高卒2年目(というかプロ2年目)最高年俸の9000万円が妥当な金額だろう。
2年目も29本塁打を放った清原和博は、当然のように年俸1億の壁を軽々突破。3年目は31本、4年目35本、5年目37本と順調に本塁打数を伸ばし、6年目には3億5000万円に。ちなみに、近年は高卒1年目から打者で結果を残し続けているモデルケースがいないため、参考にできる選手はいない。ただし、この金額はダルビッシュ有の3億3000万円を超える高卒6年目選手の最高額だ。
プロ7年目には36本塁打を放ち、翌年の妄想年俸は4億円に到達するが、ONとの大きな差はタイトルの未獲得はもちろん、いわゆる「規格外」の成績を残していない点。もちろん、安定した好成績は最大限に評価されてしかるべきだが、単年で見ると現在の野球界にも「清原和博と同等」の成績を残す選手は何人か見当たる。こうなると、年俸は4億円前後で頭打ちの感が漂ってくる。
ただし、FAは別だ。現在であれば清原和博もプロ8年目には国内FA権、9年目には海外FA権を取得する。ここで、ひとつの問題が生じてくる。清原和博はONと違い、実際にFAでの移籍を経験している。球団が変われば評価も変わるし、環境が変われば成績も変わる。
ということで、ここでは特例として、清原和博のFA移籍は史実と同じくプロ11年目のオフとさせてもらう。FA取得前年の清原和博の成績は・257、31本塁打、84打点。この数字、あらためてみても非常に「中田翔っぽい」数字だ。いや、むしろ中田が例年「清原和博っぽい」数字を残しているといえる。打率の低さは当時の清原和博のウィークポイントのひとつでもあったが、やはりFAとなると契約総額は跳ね上がる。
今の巨人が清原和博獲得に動くか、というのは野暮な話。もちろん、巨人と阪神が争奪戦を繰り広げた結果、巨人入団が決まるという前提のもと、年俸を想定してみる。ズバリ、想定金額は、5年総額20億円超(年俸変動制)。年俸総額以外は、実際に清原和博が巨人と結んだ契約と同じだ。お高い買い物の気もするが、陽岱鋼に5年15億円を提示できる球団なのだから、このくらい出すのは当然だろう。
巨人移籍後の清原和博はご存知の通り、ケガもあって不本意なシーズンを送ることになる。それでも、契約最終年の01年には打率・298、29本塁打、121打点(キャリアハイ)を記録。実際には年俸4億5000万円の複数年契約を勝ち取るのだが、ここはほぼ同額の年俸5億円が妥当なラインだろう。
さて、今回の年俸「妄想企画」。実は清原和博をピックアップした理由はここから先にある。04年、ペタジーニとの併用で出場機会が激減し、堀内恒夫監督との確執も噂されるなどキャリア最悪のシーズンを送った清原和博は、戦力構想から外れながら契約が1年残っていたこともあり年俸3億6000万円で残留を果たす。
ここが、現在の野球界と少し違うところ。残留はあっても、近年のプロ野球は高額年俸選手への大幅ダウン提示が多々行われる。過去には当時巨人の杉内俊哉の5億円→5000万円超大幅ダウンを経験したこともある。となると清原和博も、史実より年俸がダウンすることは免れない。
戦力外通告を受け、オリックスに移籍した06 年も同様だ。実際には1億1000万円ダウン、2億5000万円で移籍を果たしたが、現在なら間違いなく大幅な減学提示がなされるはず。本稿では1億5000万円としたが、1億円以下、もしくは数千万円クラスといったさらなる減額も十分あり得るだろう。
清原和博 年度別成績&年俸
【西武ライオンズ】
1986年 126試合 404打数 123安打 31本塁打 78打点 6盗塁 49四球 2敬遠 打率.304 OPS.976
年俸(推定)600万円/今なら……?!(妄想)1500万円
1987年 130試合 444打数 115安打 29本塁打 83打点 11盗塁 80四球 6敬遠 打率.259 OPS.907
年俸(推定)2200万円/今なら……?!(妄想)9000万円
1988年 130試合 451打数 129安打 31本塁打 77打点 5盗塁 82四球 7敬遠 打率.286 OPS.949
年俸(推定)3000万円/今なら……?!(妄想)1億2000万円
1989年 128試合 445打数 126安打 35本塁打 92打点 7盗塁 94四球 5敬遠 打率.283 OPS1.001
年俸(推定)5300万円/今なら……?!(妄想)1億6000万円
1990年 129試合 436打数 134安打 37本塁打 94打点 11盗塁 105四球 6敬遠 打率.307 OPS1.068
年俸(推定)6800万円/今なら……?!(妄想)2億5000万円
1991年 126試合 448打数 121安打 23本塁打 79打点 3盗塁 80四球 1敬遠 打率.270 OPS.858
年俸(推定)1億円/今なら……?!(妄想)3億5000万円
1992年 129試合 464打数 134安打 36本塁打 96打点 5盗塁 85四球 0敬遠 打率.289 OPS.959
年俸(推定)1億円/今なら……?!(妄想)3億5000万円
1993年 128試合 448打数 120安打 25本塁打 75打点 3盗塁 84四球 1敬遠 打率.268 OPS.862
年俸(推定)1憶2800万円/今なら……?!(妄想)4億円
1994年 129試合 455打数 127安打 26本塁打 93打点 5盗塁 100四球 9敬遠 打率.279 OPS.925
年俸(推定)1億6600万円/今なら……?!(妄想)3億8000万円
1995年 118試合 404打数 99安打 25本塁打 64打点 2盗塁 90四球 1敬遠 打率.245 OPS.870
年俸(推定)2億5000万円/今なら……?!(妄想)3億8000万円
1996年 130試合 487打数 125安打 31本塁打 84打点 0盗塁 70四球 0敬遠 打率.257 OPS.866
年俸(推定)2億4000万円/今なら……?!(妄想)3億5000万円
【読売ジャイアンツ/巨人】
1997年 130試合 462打数 115安打 32本塁打 95打点 0盗塁 69四球 3敬遠 打率.249 OPS.865
年俸(推定)3億6000万円/今なら……?!(妄想)5億円
1998年 116試合 384打数 103安打 23本塁打 80打点 1盗塁 67四球 1敬遠 打率.268 OPS.863
年俸(推定)3億3000万円/今なら……?!(妄想)5億円
1999年 86試合 263打数 62安打 13本塁打 46打点 0盗塁 46四球 0敬遠 打率.236 OPS.795
年俸(推定)3億3000万円/今なら……?!(妄想)5億円
2000年 75試合 216打数 64安打 16本塁打 54打点 0盗塁 25四球 0敬遠 打率.296 OPS.950
年俸(推定)2億8000万円/今なら……?!(妄想)3億5000万円
2001年 134試合 467打数 139安打 29本塁打 121打点 0盗塁 65四球 2敬遠 打率.298 OPS.942
年俸(推定)3億円/今なら……?!(妄想)3億円
2002年 55試合 148打数 47安打 12本塁打 33打点 0盗塁 18四球 2敬遠 打率.318 OPS.981
年俸(推定)4億5000万円/今なら……?!(妄想)5億円
2003年 114試合 341打数 99安打 26本塁打 68打点 0盗塁 42四球 0敬遠 打率.290 OPS.935
年俸(推定)4億5000万円/今なら……?!(妄想)5億円
2004年 40試合 101打数 23安打 12本塁打 27打点 0盗塁 15四球 0敬遠 打率.228 OPS.954
年俸(推定)4億5000万円/今なら……?!(妄想)5億円
2005年 96試合 321打数 68安打 22本塁打 52打点 0盗塁 41四球 0敬遠 打率.212 OPS.753
年俸(推定)3億6000万円/今なら……?!(妄想)3億円
【オリックスバファローズ】
2006年 67試合 203打数 45安打 11本塁打 36打点 0盗塁 36四球 1敬遠 打率.222 OPS.759
年俸(推定)2億5000万円/今なら……?!(妄想)1億5000万円
2007年 – – – – – – – – – – 年俸(推定)2億5000万円/今なら……?!(妄想)1億5000万円
2008年 22試合 22打数 4安打 0本塁打 3打点 0盗塁 3四球 0敬遠 打率.182 OPS.553
年俸(推定)1億5000万円/今なら……?!(妄想)8000万円
通算 2338試合 7814打数 2122安打 525本塁打 1530打点 59盗塁 1346四球 47敬遠 打率.272 OPS.909
年俸(推定)51億2300万円/今なら……?!(妄想)71億7500万円
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2023.01.21