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佐々木麟太郎の夢。文武二刀流の未来【二宮清純 スポーツの嵐】

Text:二宮清純

名門大学に進学

 歴代最多となる高校通算140本塁打を記録した佐々木麟太郎(岩手・花巻東)のスタンフォード大進学が決まった。「東のハーバード」と並び称される「西の名門」で米国、いや世界屈指の難関校である。

 英国の高等教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」が発表した2024年の世界大学ベスト5は次の通り。

1位=オックスフォード大(英)
2位=スタンフォード大(米)
3位=マサチューセッツ工科大(米)
4位=ハーバード大(米)
5位=ケンブリッジ大(英)

 日本勢では東京大が29位、京都大が55位タイ。

 以上のデータを見れば分かるように、麟太郎は、とんでもない名門に進むわけである。

 もっともスタンフォード大はスポーツも盛んだ。野球ではマイク・ムッシーナ、ゴルフではトム・ワトソン、タイガー・ウッズ、テニスではジョン・マッケンロー、アメフトではジョン・エルウェイら錚々たる選手を輩出している。

 野球に話を戻せば、スタンフォード大は全米大学体育協会(NCAA)が主催する全米王者を決めるカレッジワールドシリーズで2度(1987、88年)の優勝を誇る。

 同シリーズは1947年にスタートし、77年にアリゾナ州立大が優勝した際のMⅤPは、ブレーブスをFA退団後の87年、ヤクルトに入団し“黒船旋風”を起こしたボブ・ホーナーだ。

 麟太郎のスタンフォード大進学により、日本では、同大が所属するリーグ戦に熱視線を送る野球ファンが増えるのではないか。

 驚いたのは、大学側の麟太郎に対する好待遇だ。野球部のデービッド・エスカー監督は「学費や寮費は一切かからない」と断言した。いわゆるフルスカラシップ制度である。

「ざっと計算して4年間で5000万円くらい浮くことになるのではないか。これにミールフィー(食費)を加えると、大学側の支給は7000万円近くになる」(MLB関係者)

 逆に言えば、それだけの投資価値が麟太郎にはあるということだ。

「菊池雄星、大谷翔平の高校の後輩という点も有利に働いたのでしょう」(同前)

 麟太郎がスタンフォード大でホームランを量産し、スカウトの目に留まれば、指名条件である21歳を過ぎる26年夏にもMⅬB球団から指名される可能性がある。

 花巻東の先輩である菊池雄星、大谷翔平との対決も、決して夢物語ではない。

初出=週刊漫画ゴラク2024年3月8日発売号

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