俺的ドラフトイチ推し選手
有望アマ選手を取材する慧眼ライター厳選!
“ドラフト候補”と呼ばれる全国の有望アマ選手を日々取材するライターに、「俺的・イチ推し選手」を上げてもらうこの企画。関東を中心に取材を行う高木遊さん!
橋本達弥(はしもと たつや)/慶應義塾大
176cm82kg 右投右打 最速150km 投手
変化球:スライダー、カットボール、カーブ、フォーク
荘司康誠と同じ東京六大学野球でプレーする橋本達弥(慶應義塾大)も大きな伸びしろを感じる本格派右腕だ。社会人野球の三菱自動車岡崎やJR東日本で数多くのプロ野球選手を輩出し一昨年から慶應義塾大で指揮を執る堀井哲也監督は「プロに入ったらとんでもない投手になると思います」とまで将来性を高く評価する。
同監督によれば、体を柔らかくしならせて使うことができるため遠心力を使って投げることができるという。ただ、これまではのっそりとしたリズムで投げることが多かった。だが今夏からメリハリの効いたフォームに改良し、より腕がシャープに振れるようになり「軽く投げても相手打者を刺せるようになりました」と堀井監督は成長に手応えを感じている。
そんな橋本だが本人に話を聞くと、つい数年前まではそこまで高い意識で取り組んでいたわけではなかった。テレビゲーム『プロ野球スピリット』の影響で野球を始め、高校の途中までは「普通の部活程度」という感覚でいたという。ところが長田高の西岡大輔部長から「プロを目指して欲しい」と言われ「どこまでできるんだろう」と意欲が湧いた。
そこで、生活面から意識を変えて、食事量を増やして体に力をつけていくと、高校3年夏になる頃には最速148キロを計測。東兵庫大会準々決勝に進出し小園海斗(現広島)擁する報徳学園に0対1で惜敗するも、小園は4打数無安打に抑えるなど8回3安打無失点と好投した。
進学校で学業成績も優秀だったため慶大に進学。大学では最速152キロを投じるようになり、打者の手元で落ちるフォークも武器に慶大の守護神として活躍。昨年は東京六大学リーグの春秋連覇や大学日本一を果たした。今夏には侍ジャパン大学代表も経験し「僕の野球人生の中で一番大きな刺激を受けました」と同世代トップレベルの選手たちと同じ釜の飯を食い、ともに練習し、より意識は高まったようだ。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.10.18