12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【今季の課題】これで満足するべからず!短期決戦も見据えた戦術を
宗佑磨、紅林弘太郎が台頭したが、両者ともに圧倒的な数字を残したわけではなく、ブレイクというにはまだ早い。代打陣を含めて野手の底上げは必要不可欠だ。助っ人もジョーンズ、モヤ、ヒギンスが退団。昨季は緊急補強が不発に終わったが、5~6番に厚みがほしいのは明白。本気の補強に乗り出してほしい。
また、日本シリーズでは細かなミスも頻発した。若さもあるが、シーズンを通してバントや盗塁には消極的。どちらかと言えば投手陣に頼ったチーム構成で、小技なしで短期決戦を勝ち抜けるほどの打線ではない。今季は勝利と育成だけではなく、「大技と小技の両立」も見たい。
2015年以来続いた低迷期に区切り。2014年の2位がファンの心の支えだったが、見事に更新した。ブルーウェーブ時代の1990年代はBクラスが一度もなかった常勝球団。巻き返しの第一歩にしたい。
【チームMVP/福田周平】ついに本格ブレイク!本当にいや~なクセ者
山本由伸、吉田正尚は言うまでもないが、打撃の核を担ったのは、福田に間違いない。167センチ69キロの小柄な体ながら、バットを短く持ち、簡単には打ち取られない。
リーグトップのコンタクト率が「いやらしさ」を示している。日本シリーズでも巧打を連発し、ヤクルトバッテリーを苦しめた。今季はセンターに守備位置を移したが、気合と根性でボールを追い続け、徐々に馴染んできた。
しぶとさの塊が投手を疲弊させるからこそ、宗佑磨、吉田正尚、杉本裕太郎が隙を突けた。「1番・福田周平」はオリックス打線を築いた影のMVP。来季もクセ者ぶりを見せつけてほしい。
【チーム逆MVP/佐野皓大】もっとやれていい?期待に応えるべき存在
優勝チームから逆MVPを挙げるのは気が引けるが、どうしてもと言うならば、西浦か…。30歳を迎えた今季は92試合で打率.223、5本塁打に留まり、ルーキーの元山飛優に打率、出塁率で負けてしまった。
守備では確実に上回っているだけに非常に惜しい。正捕手の中村悠平も打撃好調。西浦さえもっと打てれば、完全に穴のない打線が完成する。それでも日本シリーズ第2戦では完全試合ペースの宮城大弥から初安打を放ち、流れを変えた。
阪神戦も打率.290と好相性。随所でいいところも見せており、こんな数字じゃ物足りない…。最低でも2ケタ本塁打。まだまだ若手には負けられない。
【パリーグ優勝】オリックス・バファローズ
【2021シーズン成績】
70勝55敗18分
勝率 .560
得 点 551 ③
失 点 500 ②
本塁打 133 ①
盗 塁 50 ⑤
打 率 .247 ①
防御率 3.31 ②
ぶっちぎりの活躍を見せた山本由伸に吉田正尚、杉本裕太郎、メジャー帰りの平野佳寿とタレントがズラリ。ただ、盗塁は福田周平の9盗塁が最高。走れるメンバーは揃っているだけに得点力はもう少し上積みが見込める…?
出典:『がっつり! プロ野球(30)』
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公開日:2022.02.28