そのスピードで球界を席巻!足のスペシャリスト今昔物語
いつの時代にもいた俊足選手。昭和から平成、そして令和となった現在でも、彼らの存在がチームを勝利に導いている!
豪腕で三振の山を築くピッチャー。迫力あるスイングで軽々と本塁打を放つバッター。通常、野球ファンはそんな選手に熱狂することが多いだろう。「投げる」「打つ」という要素は野球というスポーツの基本でもあり、選手を評価するうえでのひとつの基準にもなる。しかし、その2つ以外で大きな評価を得る選手たちがいるのもご存知だろう。そう、その華麗な走塁だけでファンを沸かせることができる、足のスペシャリストたちだ。プロ野球の長い歴史の中で、足のスペシャリストたちは常にその時代で活躍してきた。
足のスペシャリストはプロ野球に欠かせない駒
過去にはもっと異色な足のスペシャリストがいたのをご存知だろうか。今から半世紀前の1968年にドラフト9位でロッテオリオンズに入団した飯島秀雄は、なんと東京五輪、メキシコ五輪に出場した経験を持つ陸上短距離選手で、100メートルの元日本記録保持者でもある。そんな、世界初の代走専門選手としてプロ入りした飯島だが、プロ在籍3年間で117試合に出場し、打席数はもちろん0。通算盗塁数は23と、野球と陸上の壁を感じさせてしまう結果に終わったのだが、足のスペシャ
リストという意味ではまさしくそうであろう。
「世界の盗塁王」と称される元阪急の福本豊や、セ・リーグ年間盗塁記録を持つ元巨人の松本匡史。入団から5年連続盗塁王を獲得した元阪神の赤星憲広など、走力を大きな武器とする名選手も多くいる。しかしながら、ここで紹介した元巨人・鈴木尚広らのように、ここぞという場面で代走として登場し、輝きを放つタイプの選手もいる。役割が分担化されていく現代野球においても、彼らのような存在は今後どんどん増えるに違いない。
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公開日:2020.12.30