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メジャーで鳴かず飛ばずも巨人で先発完投型スタイル確立!MLB復帰で最多勝獲得のマイルズ・マイコラス

Text:橋本雅生

助っ人外国人列伝/巨人投手編

日本球界を彩ってきた助っ人外国人選手たち。「ラブすぽ」が独自に選んだ投打の名選手各5名と、印象深い選手を投打から各1名紹介する。

MLB復帰で最多勝獲得!マイルズ・マイコラス

【投手2位】マイルズ・マイコラス

〈NPB通算データベース〉
・勝利 31勝
・敗戦 13敗
・防御率 2.18

鳴かず飛ばずの若手メジャー時代

印象深い助っ人投手が多かった巨人において第2位になったのがカージナルスの先発の柱として活躍しているマイルズ・マイコラス。「綺麗すぎる奥さん」を持つ投手としても有名なマイコラスは、2009年にMLBドラフト7巡目でパドレスに入団する。

マイコラスはスリークォーター気味に投げる150キロ前後の直球を軸に、カーブとスライダーなどの変化球を織り交ぜて緻密に計算しながら投げるスタイルが持ち味。練習熱心で頭脳派だったため、先発志向が強かったという。

当時も今とさほど変わらぬ投球スタイルだったが、パドレスではセットアッパーやクローザーとして起用される機会が多かった。そのため思うような成績を残せず大半を3Aでプレーし、たまにメジャー昇格のチャンスが与えられても結果を残せずもがいていた。

2014年はレンジャーズに移籍して心機一転を図ったが、ここではチーム事情でメジャーでの登板機会があまり与えられず、海を渡って2015年から巨人でプレーすることになった。

巨人に来て先発完投型のスタイルを確立

多くの先発機会を与えられたマイコラスは、入団1年目から水を得た魚のように活躍する。開幕直後こそ勝ち星がなかなか付かない試合が続いたが、5月の初勝利を皮切りに快投を続け、以降は10月まで負け知らずの11連勝を達成。

やはりマイコラスは先発型が合っていたようで、日本ではテンポの早い投球で打者を追い込み、的を絞らせるまでに打ち取る投球術が見事だった。三振奪取能力も高く、マイコラス自身も実力が証明できたシーズンだったはず。

2016年は右肩痛の影響で出遅れ、シーズン半ばからの復帰で4勝に終わったが、翌2017年は完全復帰。自身初の開幕投手を務めて勝利すると、同シーズンは自己最多の27試合に先発。心強い安定感はさらに磨きがかかり、14勝を挙げて最多奪三振のタイトルを獲得した。

巨人ファンとしてはうれしい活躍ぶりを見せたマイコラス。だが、日本での成功で複数のメジャー球団から熱視線を送られ、とくに先発不足だったカージナルスが2年1550万ドルと巨人を大きく上回る好待遇を提示。アメリカでの成功を夢見ていたマイコラスはメジャー復帰を選択したのは言うまでもなく、惜しまれつつ巨人を去った。

メジャー復帰後、最多勝の大出世!

日本で先発のマウンド捌きを習得したマイコラス。メジャーで活躍するのは当然とばかりに2018年は32試合に登板し、18勝4敗、防御率2.25と圧倒的な成績を収めて最多勝に輝いた。

2020年は右肘の手術で全休したが、2022年からはカージナルスのローテーションを担う活躍を見せている。2023年、マイコラスはWBCアメリカ代表に選出され、カージナルスとは新たに2年54億円の契約を結ぶなど、その実力に衰えは見られない。

元阪神のロベルト・スアレス(現・パドレス)や元日本ハムでクリス・マーティン(現・レッドソックス)など、日本球界を経由してメジャーで羽ばたいた投手は何人かいるが、そのなかでも実績はマイコラスが群を抜いているだろう。

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