いきなり2安打1打点の活躍!
8月20日、神宮球場で行われたヤクルトスワローズvs中日ドラゴンズの一戦、中日に2連敗中のヤクルトが7‐3で勝利を収めた。
この日、上半身のコンディション不良で開幕から離脱していたヤクルトの中村悠平が1軍選手登録され、早速8番・キャッチャーで先発出場し、自身2ヶ月遅れの開幕戦となった。
試合はヤクルト先発の高梨裕稔が6回を2失点に抑え、打っては4回裏ベテラン坂口智隆の同点ツーランHRを皮切りに、5回裏には青木宣親と西浦直亨のソロHRを含む5点を挙げ中日を引き離した。
復帰した中村悠平は、今シーズン初打席となる第1打席にレフト前ヒットを放つなど4打数2安打1打点の活躍。守っては好リードで投手陣を牽引し、好調中日打線を9回3失点に抑え勝利に貢献、上々の復帰戦となった。
キャッチャーは体力的にも精神的にもハードなポジションである。例えば、ピッチャーが投げたワンバウンドの球を身体で受け止め、バッターが内野ゴロを打つ度に防具を身に着けたまま一塁送球のカバーに走る。また、ピッチャーの配球を考えたり状況に応じた守備隊形を伝達したりもする。
しかし、ピッチャーが打ち込まれチームの敗戦が続くとキャッチャーへの風当たりが強くなるなど、そんな厳しいポジションがゆえに、近年は各球団とも主軸のキャッチャーはいるにせよ、シーズン中は複数人起用していくスタイルが主流になっている。
昨季の出塁率キャリアハイの3割7分3厘
そんな中、中村悠平は12球団でただ一人5年連続で100試合以上に出場し、昨シーズンは規定打席にも達して打率2割6分9厘をマーク。出塁率もキャリアハイの3割7分3厘をマークするなど、一部リード面で指摘されることはあったが正捕手として役目を果たした。
ヤクルトの正捕手として確固たる地位を築いてきたに見えたが、東北楽天イーグルスから経験・実績共に十分の嶋基宏が加入。チーム内にライバルはいないと思われていた中村悠平も、ベテラン捕手補強の意味を感じながら、今シーズンにかける意気込みは強かったに違いない。
コンディション不良で出遅れたものの中盤戦に入ったばかり、今シーズンまだ70試合近くを残している。5年ぶりの優勝を目指すヤクルト高津臣吾監督が掲げる投手陣の再建には、扇の要である中村悠平の力が絶対に必要なはずである。強肩・強打・好リードでチームを牽引する中村悠平の活躍に注目していきたい。
公開日:2020.08.21