歳内宏明がチーム防御率4.62のヤクルトに加入!
9月6日、ヤクルトスワローズは国内独立リーグ四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズに所属する歳内宏明投手の獲得を発表した。歳内宏明は2019年までNPB阪神タイガースに所属していた本格派右腕。140キロ台中盤から後半のストレートに加え、切れのあるスライダーやフォークを武器とする投手である。
高校野球の強豪校である聖光学院高等学校(福島県)から2011年のドラフト会議で、阪神タイガースから2巡目に指名されプロ野球人生がスタートする。
プロ入り1年目はウエスタン・リーグで経験を積みながら成績を残し、後半戦には1軍デビューを果たした。その後は中継ぎとして活躍し、2014年には1軍でプロ初勝利を挙げるなど、経験を積み重ね順調に成長していると見えていた。だが、腰痛や右肩の違和感など幾度となく故障に悩まされ、2017年のシーズン終了後には球団と育成選手契約を結び再スタートすることになる。2018年に再び支配下選手として契約するも、1軍に上がることはなく、翌2019年には度重なる故障の影響もあり球団から戦力外通告を受けた。
その後、12球団合同トライアウトに参加するなど、自身は現役続行を希望していたがオファーは無く、NPBに戻ることを目標としてプレーができる四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズに入団する。
開幕戦となった2020年6月20日、徳島インディゴソックス戦に先発した歳内宏明は、11奪三振で見事完封勝利を挙げる。そこから香川オリーブガイナーズでの最後の登板となった8月25日の高知ファイティングドッグス戦まで、3完封を含む負け無しの5連勝を挙げ、64イニングで防御率0.42、76奪三振とその力の差を見せつけた。複数のNPB球団から再注目される中、投手陣の立て直しが急務のヤクルトスワローズが歳内宏明を獲得したのである。
9月7日現在まで66試合を消化し、26勝35敗5分けでセ・リーグ5位のヤクルトスワローズ。チーム防御率に至っては4.62と12球団ワーストであり、緊急補強した球団の歳内宏明への期待は大きいに違いない。故障の影響も見られず、異例の早さでNPBに復帰した歳内宏明に今後も注目していきたい。
公開日:2020.09.08