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開幕マスクを狙うルーキー。玄人が見抜く中日・郡司裕也の素晴らしい資質とは?

Text:尾関雄一朗

今年もまた新しいシーズンが始まる。中でも注目されるのが昨秋のドラフトを経て入団する1年目の選手たち。
いま改めて19年ドラフトのドキュメントをここにお届け。

中日・郡司裕也(慶應義塾大)はキャンプ紅白戦でも盗塁を刺すなど、存在感を示している。

ドラフトドキュメント①奥川恭伸(別タブで開きます)

■19年ドラフトドキュメント⑧六大学リーグ出身選手のドラフトは?

19年ドラフトでは、森下暢仁(明治大)や宇草孔基(法政大)をはじめ、東京六大学リーグから17人がプロ志望届を提出した。
このうち、捕手の郡司裕也は中日から4位指名を受けた。

中日は10月初旬に捕手2人を戦力外にしていて、ドラフトで補強があるとみられた。

巡目の時点で東妻純平(智辯和歌山高)や山瀬慎之助(星稜高)という高校生捕手も残っ
ていたが「チームは今年、ルーキーだった石橋康太が育っている。ドラフト会議の最中に
監督と相談しながら、石橋よりも少し上の世
代で補強しました」(米村チーフスカウト)

担当の近藤真市スカウトは、玄人にしか見
抜けぬ部分を高く評価する。
「キャッチャーとしての資質が素晴らしいで
す。僕はピッチャーでしたが、郡司の間合い
のとり方などは絶妙。」
「ピッチャーが間合いを
あけてほしいとき、逆にマウンドにきてほし
くないとき、それをよくわかっている。リー
ドもいい。正確に二塁へ送球できるところに
も、彼の姿勢が表れています」
ロッテやソフトバンクが2位で別の大学生
捕手を指名したため、中日にこの順位で選択
権が回ってきた。

スカウトの六大学リーグへの思い

早稲田大OBの由田スカウトにとっても、
リーグへの愛着は深い。「日本で最も注目されるリーグ。スカウトに
なって初めて外から見て、改めて自分の学生
時代は恵まれていたんだなと感じました。」
「僕
は早稲田大の出身なので、万が一誤解されぬ
よう、リーグ戦期間中の平日は、他の5校の
練習は視察に行かないようにしていました。
でも5校ともよくしてくださり、今は6つの
大学が順番に優勝してほしい気持ちです」

同じくリーグOBのソフトバンク・山本省
吾スカウトは「最近は地方リーグもレベルが
高いので、リーグの名前はあまり関係ありま
せん」としながらも、後輩の柳町達(慶應義
塾大)と5位で縁がつながり笑顔だ。

「六大学リーグはプロと同じグラウンドで試
合をし、各地の一線級が集まってくる。その
中で1年春から全試合に出場し、結果を出し
ていたところも評価の一つです。」
「あらゆる投
手と対戦し、広角に打てる技術はもちろん、
プレーに手抜きがないところも好きです」
このほか六大学からは、伊勢大夢(明治大・
DeNA3位)、津留崎大成(慶應義塾大・
楽天3位)、福田光輝(法政大・ロッテ5位)
が支配下で名前を呼ばれた。

次回19年ドラフトドキュメント⑨「スカウトのパイプと眼力」へ続く)

(初出:【野球太郎No.033 2019ドラフト総決算&2020大展望号 (2019年11月27日発売)】)

執筆:尾関雄一朗
1984年生まれ、岐阜県出身。
新聞記者を経て、現在は東海圏のアマチュア野球を中心に取材。
多くの「隠し玉選手」を発掘している。中日新聞ウェブサイト『中日新聞プラス』でも連載中。
アマ野球関連のラジオ出演なども多数。

【書誌情報】
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