SPORTS COLUMN
- スポーツの話題を毎日更新 -

  • HOME
  • おすすめ
  • 中日:石川昂弥が「右へ放り込める感覚」を掴んだ大舞台とは!?

中日:石川昂弥が「右へ放り込める感覚」を掴んだ大舞台とは!?

Text:尾関雄一朗

近年、高校生を重視する中日が3球団競合の末に、地元・東邦に〝平成最初と最後〞の甲子園制覇をもたらした右の強打者を獲得。
〝星の強さ〞を持つ男は、プロ球界の看板打者を担えるほどのスケールが違う。

ドラフトドキュメント①奥川恭伸(別タブで開きます)

■「将来は三冠王の大物感が漂うスラッガー:石川昂弥」①右へアーチの技術とパワー 

プロ球界で将来、看板打者になる資質をもった右の長距離砲だ。U-18ベースボールワールドカップ(以下U-18W杯)の侍ジャパン高校代表では4番打者を任された。
ドラフト会議では中日、オリックス、ソフトバンクの3球団が入札で競合。地元・中日以外にも入札に踏み切った球団が複数あったのだから、高い評価の表れである。

パワーはもちろんだが、右方向へ本塁打を打てる技術がある。それが石川のすごさだ。しかも大事な場面で右へ放り込んでいる。

愛知県内の高校野球ファンの度肝を抜いたのが、1年秋の東海大会準決勝だ。勝てば翌春のセンバツ切符が当確となる一戦で、1点ビハインドの9回表二死、起死回生の逆転2ランを右中間へ放り込
んだ。この時点で高校通算7本塁打目だった。

「右へホームランを打ったのは初めて。中学時代から逆方向へ打つのはうまい言われていたけど、それまでは球に合わせて低い打球で間を抜くだけでした」
外角のストレートを狙っていたと言い、「このホームランで何かつかんだ。いい感覚が自分のなかで残った。自分でも右へホームランを打てるんだという自信になった」と手応えを得た。

ハイライトは3年春のセンバツ決勝。2ラン本塁打を2本放ち、全国のファンに強烈な印象を与えた。
初回、バックスクリーン右へ届かせて先制すると、5回表には右中間へたたき込んで貴重な中押
し点を挙げた。高校通算44、45号を最高の舞台でマーク。東邦の〝平成最初と最後〞の甲子園制覇を実現させた。

「その前の2試合で打っていなかったし、第1打席でも追い込まれていたので、逆らわずに逆方向へ打とうと思った。」
「2本目は、ストレートが速いピッチャー(習志野・飯塚脩人)だったので、なにがきても振ってやろうと思っていた。たまたまスライダーがきたので合ったけど、ストレートがきていたら振り遅れていたかも」

次回、「石川昂弥:② 次元が違う高校通算55弾」へ続く
(初出:【野球太郎No.033 2019ドラフト総決算&2020大展望号 (2019年11月27日発売)】)

取材・文:尾関雄一朗
1984年生まれ、岐阜県出身。
新聞記者を経て、現在は東海圏のアマチュア野球を中心に取材。
多くの「隠し玉選手」を発掘している。中日新聞ウェブサイト『中日新聞プラス』でも連載中。
アマ野球関連のラジオ出演なども多数。

『野球太郎』刊行:イマジニア株式会社 ナックルボールスタジアム

野球の見方が変わる!日本で最もディープなプロアマを網羅する野球誌


伝説の野球誌『野球小憎』の創刊スタッフたちが2012年秋から場を変えて、『野球太郎』を刊行。
ドラフト候補選手に関する情報量は野球誌No.1の実績。全国各地の野球ライターや、ネットで評価の高いアマチュア野球研究家たちが誌面で大活躍中です。
他では読めないユニークな企画が満載。圧倒的な情報量と内容を満喫してください。

芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内