SPORTS COLUMN
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赤星、上園、藪、井川、鳥谷・・・。名選手を発掘した阪神凄腕スカウトの「才能の見つけ方」とは?

Text:蔵建て男(構成・菊地高弘)

長年にわたってスカウト的観戦を続ける蔵建て男が、球団スカウト・編成担当者を直撃インタビューする名物企画。 今回はプロ経験がないにもかかわらず、25年間も阪神スカウトを務めた菊地敏幸さんが登場する。最終回は取材後記

タイガース名スカウトが惚れ込んだセットアッパーとは?(別タブで開きます)

■菊地敏幸(元・阪神タイガーススカウト)④プロ選手経験がなくても結果を残した仕事術

阪神の混迷と復活を、スカウトとして支えた菊地敏幸さん。25年間のスカウト生活で、赤星憲広や上園啓史などの新人王をはじめ、看板選手となった鳥谷敬、後にメジャーの舞台にまで立った藪恵壹や井川慶など、数々の選手を見出したスカウトとして名高い。
プロ野球選手経験のない菊地さんは、元プロ選手のスカウトと違い「彼らより結果を残さないとクビを切られる」という危機感を持って仕事をしていたという。
気さくな性格と巧みな話術で、それまで人脈のなかった高校球界にもどんどんつながりを広げていったという。

個人的に特に聞きたかったのは、弓長起浩や上園啓史のようなアマチュア時代に決してすごい球を投げていたわけではない投手の才能をいかにして見出したのかという部分だ。
弓長は試合になると不思議なほど打たれないので、関係者に聞き込みボールが動いて打ちづらいことを突き止めた。上園はチーム事情で普段はセーブして投げざるをえなかったが、オープン戦では名門・明治大打線相手にバットを何本もへし折る姿を見られたことが大きかったという。
そういった地道な情報収集を積み重ね、周りに左右されない独自の評価を固めていったことが、菊地さんのスカウティングを下支えしたのだろう。また、キャッチボールを疎かにしない選手を評価するなど、内面にも気を配ってきたことも教えてくださった。

最後にどのような人がスカウトに向いているかと聞くと、菊地さんは「人が好き、野球への情熱がある人」だと語った。自らはそんなことはなかったと謙遜していたが、インタビュー後も飲みに誘ってくれた人は初めてだった。
やっぱりこの人は、心底野球が好きな情熱家なのだと実感した。

次回「95歳で健在の巨人キラー 今西錬太郎」へ続く
(初出:【野球太郎No.033 2019ドラフト総決算&2020大展望号 (2019年11月27日発売)】)

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