価値ある引き分けに導いたサンズ
7月22日に阪神甲子園球場で行われた広島カープとの一戦で、5打数2安打2打点1HRと2回にガルシアが先制点を許すも即座に同点に追いつくタイムリーツーベースを放ったジェリー・サンズ。
そして、同点で迎えた8回1アウトのランナーなしの場面で、広島3番手塹江敦哉の高め149キロ直球に振り遅れながらも捉え、2戦連発となる5号ソロホームランをライトスタンドに運び、一時は勝ち越しとなる一発を放った。
6月の開幕月は、打率.091、3打点、1HRと出場3試合ながらも打率1割を切る苦しいサンズだったが、7月に入り、スタメン出場の機会を増やすと、7月は打率.354、11打点、4HRと調子を上げている。
打撃好調の要因として、日本の配球に慣れ始めたことと打撃フォームに改善が見られる。開幕当初は左腰が早く開くため、外角の変化球についていけず、内角のストレートはファウルになっていた。しかし、最近は左足を半歩、クロスに強く踏み込むことで、左サイドの壁がつくれていることでしっかりボールを捉え、ホームランにできている。
プロ野球解説者の元阪神タイガース関本賢太郎も「サンズは球種の待ちを悟られない。なので、スライダー狙いだから内角へ、という配球も相手投手はうかつにできない。すごく難しい、良い打者。」と賞賛した。
昨季、韓国リーグで打率.305、28本塁打、リーグ最多の113打点を記録した打点王の風格が日本プロ野球でもその存在を見せ始めている。
ボーアがメディアで大きく取り上げられる陰でサンズが着実に進化を見せている。
公開日:2020.07.23