9回8奪三振でプロ初完封記録した才木浩人
5月26日に鳴尾浜球場で行われたウエスタン・リーグの広島カープ戦に、阪神タイガース先発としてマウンドに上がった才木浩人は、9回を104球で、4安打無失点8奪三振と、入団6年目でプロの公式戦初の完封を記録し、1軍昇格へアピールした。
初回を危なげなく三者凡退で好スタートを切った才木浩人は、2回も石原貴規、末包昇大を2者連続三振に切って取り、2イニング連続三者凡退に切り抜けた。
3回は先頭打者の韮澤雄也にセンターへこの試合初ヒットを許すも、二俣翔一をダブルプレーに仕留め、広島カープ打線に隙を与えなかった。
4回はこの試合3度目三者凡退に抑え、5回は石原貴規にセンターへヒットを許すも、後続をしっかりと抑える。6回も先頭打者の二俣翔一にライトへヒットを許すも、ストライクゾーン内で果敢に勝負を挑み、6回まで二塁を踏ませない好投で広島カープ打線をねじ伏せた。
才木浩人は暴投で7回2アウト2塁とこの試合初めてのピンチを招いたが、1軍経験のある末包昇大を空振り三振に仕留め、ピンチを逃れた。
才木浩人にとって、最大の山場となった8回、先頭打者の韮澤雄也のセカンドへの打球を山本泰寛がファンブルし、ノーアウト1塁とすると、二俣翔一が見事送りバントを成功させ、1アウト2塁のピンチを招く。続く前川誠太に4球目149キロのストレートをバットに当てられ、セカンドゴロの間に、ランナーが3塁に進み、2アウト3塁とこの試合最大のピンチとなった。
しかし、才木浩人は全く動じず、羽月隆太郎を初球150キロのストレートでセンターフライに打ち取り、課題となっていた5回以降に150キロを計測し、難を逃れた。9回は中村奨成、木下元秀をファールフライ、最後の打者となった林晃汰を5球目133キロのフォークで空振り三振を奪い、入団6年目でプロの公式戦初の完封を記録した。
前回登板の5月19日に行われた中日ドラゴンズ戦では、最速149キロのストレートを武器に6三振を奪いながら、4四球と制球にばらつきがあったものの、支配下登録後3試合目で、今シーズン最速となる152キロをマークし、4安打8奪三振と圧巻の投球を披露し、公式戦完封勝利を飾った。
手術前に甲子園で見せていた藤川球児のような自慢のストレートが戻りつつあり、支配下登録後3試合目で、入団6年目でプロの公式戦初の完封を記録した才木浩人を平田監督は絶賛し、1軍昇格へ太鼓判を押した。
才木浩人は高卒2年目の2018年に6勝をマークするも、2020年にトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成選手として再契約となり、今シーズンはウエスタン・リーグで好投を披露するなどアピールを続け、4日に支配下選手契約を締結していた。
矢野監督も完封勝利の才木浩人の好投に、阪神タイガースの投手陣をより強固にする為に、1軍昇格へ意欲を示しているはずだ。
才木浩人が手術前に甲子園で見せていた藤川球児のような自慢のストレートが完全に戻れば、佐々木朗希に引けを取らない日本を代表する投手になるかもしれない。
更なる好投を続け、1軍昇格を勝ち取り、再び1軍の舞台で、藤川球児のようなストレートを武器に、躍動してもらいたい。
公開日:2022.05.27