東京五輪 バレーボール男子 山内晶大インタビュー
3連続ブロックで窮地を救った山内晶大(パナソニック)が直前のVNLで力を入れて取り組んだのは“サーブ” 「僕に関わってくれたすべての人に恩返しするために活躍したい」
バレーボール日本男子代表のミドルブロッカー、山内晶大に開幕直前にお話を聞いた。山内は23日に行われた初戦ベネズエラ戦で、日本が初戦のかたさから3点ビハインドを追いかける展開となった時に、3連続ブロックを決めて日本に流れを引き寄せ、クイックやサーブでも活躍を見せた。そんな山内が五輪出場の12名に選ばれたときの率直な気持ちと、選考にあたって力を入れたこと、そして東京五輪にかける思いとは。
――五輪出場の12名に入ったと聞いたときの気持ちは。
山内:嬉しいのが一番。そのあと時間経つと、いろいろ実感が湧いてきました。初めて代表に入ったときから、リオ五輪の世界最終予選で敗退したことなども思い出しました。初代表の頃から東京オリンピックは目標でしたから、そこに出場できるというのは特別な思いがありました。そして、本当にいよいよだなというのを強く感じました。
――12名選考を兼ねたネーションズリーグはすごくタフな戦いでした。ミドルも激戦だと思います。人数はたくさんはいないにしても、オリンピックは通常の大会より人数が絞られるので厳しい戦いでしたが、ネーションズリーグでつかめた手応えは。
山内:これまで僕は、カテゴリー分けをするとスパイクとブロックに重点を置いていて、サーブはそこまで力を入れてなかったんですね。あまり得意ではなかったというか。でも五輪メンバー選考であるネーションズリーグが始まる前や大会を通して、スパイクがいい、ブロックがいいミドルの選手は他にもいる。サーブが特色の選手もいる。僕はそれまではスパイクとブロックを頑張ろう、それに集中しようと思っていました。でも、それだけじゃ選ばれるのもそうですし、オリンピックで活躍するためには、サーブをもっと強化しなければいけないと思い直したんです。スパイクもブロックももちろん強化しないといけない、全体的に強化するのはもちろんなんですが、特にサーブに力を入れて取り組みました。
――結構サーブでエースを取ったり、崩したりしていましたね。
山内:そうです。そこでアピールしないといけないなと感じたので、そこは手応えを感じています。あとは、プレー以外の部分でもアピールしないといけないなと思いました。
――新戦力が入ってきて、若い子たちにどんな刺激を受けましたか。
山内:高橋藍も大塚も、いい意味で堂々としてる。物怖じしない。僕が同じような年で代表に選ばれたときは、あんな態度は無理でした(笑)。プレーもそうですし。本当に堂々としてる。若いのが頑張ってるから僕も頑張るというのはそんなにはないんですけど、若い選手が思い切りがいいのはいいですね。チームが乗っていく感じがします。
――ご自身でおっしゃったように、NEXT4で選ばれたときからずっと東京オリンピックは目標だったと思いますが、初めてのオリンピックに立つにあたって何が目標ですか。
山内:自分にとってですか。チームの目標としては予選突破して決勝トーナメント入って1つ勝つ事によってベスト4。そこが目標。僕個人としては、チームとしての目標ももちろん達成しないといけないですし、ミドルブロッカーとしてプレー面でベストを尽くしたい。2014年度から代表に選んでいただいて、僕一人の力では絶対ここまで来れなかった。(代表に)残れてなかったり、もしかしたらもうバレーをしてなかったかもしれない。だから、僕に関わってくれた人たちすべてに恩返しするために、オリンピックで活躍する姿を見せたい。その人達に届けるためにやってます。
聞き手:中西美雁
写真:黒羽白、FIVB
情報提供『バレーボールマガジン』
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公開日:2021.07.27