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凡ミス連発で4位に沈んだ広島カープ…来季浮上のカギは佐々岡監督の采配次第!?

Text:小林雄二

がっつり!プロ野球厳選ライター陣が贔屓球団の今季を綴る”私的コラム”俺と12球団と2021年

プロ野球12球団、それぞれを愛してやまない書き手たちに、喜びや悲しみ、怒りなど思いの丈を思いっきりぶちまけてもらうこの企画。お待たせしました!2年ぶりの復活です!果たして2021年の書き手たちは、どんな〝思い〞を綴るのか

俺とカープと2021年/書き手・小林雄二

●拝啓 佐々岡監督野球は監督次第です
 拝啓 佐々岡真司監督 今シーズン、まずはお疲れさまでした。じゃがね、結論からいうと、ファン目線からすりゃホンマにつまらんシーズンでした。なぜなら、なにをやりたいんかさ~っぱりわからんかったけぇです。そもそも監督は就任時から「チームの一体感」いうとるけど、ハッキリいうてチームは一体感どころか一時は空中分解しとるようにすら見えたんよね。その要因のひとつが凡ミスが多すぎることプラス、それに対する首脳陣の反応(対応・対処)が伝わってこんかったことにあると思うんよ。

河田ヘッドコーチが復帰して、そらぁカープファンは期待したもんよ。“これでまた勢いのあるカープが戻ってくんじゃなかろうか!”いうてね。ところがよ、河田コーチが推し進めるはずじゃった積極的な走塁に関しても、一番分かりやすい指針の盗塁数なんか見てみんさい。たったの68(リーグ3位)よ。20年の「64」から申し訳程度に微増しとるだけじゃないか。おまけに大事な場面で起用される上本や、足技に関してはチーム随一であるべきの野間も度重なる走塁ミスでみすみすチャンスを潰しよる…思うたら、凡ミスは選手のみならず。状況にふさわしいとは思えん「本塁突入」じゃったり「ここは本塁ゴーじゃろ!」の場面じゃ逆に三塁ストップしよるんじゃけぇ…。これじゃあ選手の積極的な部分も引き出せんし、チーム全体での意思疎通なんか夢のまた夢よ。

とあるOBもいうとったで。「一体感というものは作るものではない。自然と出来上がってくるものだ」その通りじゃ思うんよ。「はい、皆さ~ん、一体感を作ってくださ~い!」じゃできんのよ。一体感を作るためには、まずはなによりもチームの目指すべき方向性を明確化し、それを選手に、それこそプレーのひとつひとつをかいつまんで示し、相互理解したうえで共有して、その結果として“出来上がってくるもの”なんじゃなかろうか。

「守り勝つ野球」いうんも掲げとったよね。これもいまだに体現できとらんよね。やり玉に挙げるようで心苦しい部分も、ちぃとはあるが、たとえば西川龍馬ね。本来は中心選手として、チームのめざす野球を体現せんといけんのに、ファンがガクゥ…とくるようなプレーがどんだけあったことか。そのあたり、本人ときっちり膝付け合わせて話ししんさいや。片やそもそも守り慣れとらん左翼の守備に就いた中村奨成がミスすりゃ“、守りができない”いう理由で出場機会を見合わせることもちょいちょいあったじゃろ?ところが前出の西川のお粗末な守備連発にゃ目ぇ瞑ってから。

そんなチームに一体感が生まれるとは思えんのよ。ファンはこのあたり、見とるでぇ。そんなところを有耶無耶にしとったら、来シーズンも結果は同じじゃろ。OBはじめ、解説者の人らぁも不思議がっとるん、知っとってかいの。谷繁さんの言葉がなによりいまのカープを物語っとるよ。「こんなはず(のチーム)じゃなかった」さてさて、今年のドラフトも監督の意向で即戦力を最優先しました。育成のカープが2年連続で即戦力をわんさかと。佐々岡監督、あとはあんた次第じゃ思うでぇ。

書き手・小林雄二
1968年生まれ。広島市出身。小学1年生の時に広島が初優勝。以来10代は黄金期を満喫も、その後長く続いた暗黒期の影響から物事をネガティブに捉える性格に。中学の先輩に山本一義、後輩に野村弘樹、高校の先輩に山崎隆造、後輩に井上晴哉らがいるが自身は野球部とはまったくカンケーない。座右の銘は「耐えて勝つ」。

出典:『がっつり! プロ野球(30)』

『がっつり!プロ野球(30)』12月13日発売!

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