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体重比では世界最速付近にいる!オリックス山岡泰輔が150km/hを投げられるワケ

Text:中島大輔

パーソナルトレーナー高島誠が明かす!なぜ、山岡泰輔は172センチ、68キロの小柄な体格で150km/hを投げられるのか!?

●体重比では世界最速付近にいる山岡泰輔
高校時代から注目された山岡は社会人、プロと羽ばたく上で、投手人生の転機をこう話していたことがある。「瞬発系のトレーニングをするようになってから、一気に出力が高まるようになりました(」「高校野球ドットコム」のインタビューより)もともと性能が優れる“国産車”は、トレーニングによって“ハイブリッドカー”にグレードアップされていった。

 

その起点となった東京ガス1年目、山岡と立てた計画を高島氏が語る。「ベース作りをしながら、瞬発力を最大限使えるようにというのがテーマの一つでした。3年後にドラフト1位で入るのが一つの目標でしたね。プロに入るのが目的ではなく、いかに活躍していくかを見据えました」

山岡は野球選手として痩身だが、垂直跳びでは80センチを飛ぶほど優れたバネを備えている。2020年1月19日付の「サンケイスポーツ」の記事によるとプロ野球平均は約60センチ、NBA平均は約70センチだ。卓越した跳躍力は投球動作でどのように生かされているのか。

高島氏が説明する。「並進運動のときに、ほぼ飛んでいますよね。あの並進運動をできるから球速が出るんです。あれだけ足を開けるから、前に行ける。前に行けない投手の場合、リリースポイントが後ろになったり、意図しないシュート回転が増えたりするなど問題が出てきます」

山岡は股割りをすれば床に胸が着くほど柔軟性が高く、身体を効果的に使って力を生み出すことができる。その柔らかさを投球動作につなげる上でポイントになるのが身体操作性だ。フランス生まれの移動術でアーバンスポーツとして人気拡大中の「パルクール」を行えば、関係者がスカウトしたくなるほど高い能力を誇っている。

体格的にプロ野球選手として小柄ながら、傑出した柔軟性や身体操作性があるから筋量をパワーとして発揮し、ボールにうまく伝えられる。190センチ、104キロの杉本裕太郎(オリックス)と高島氏の下で一緒に自主トレを行うと、大柄の杉本が苦労する重量を山岡は軽々と挙げるほどだという。「山岡は最大限自分の体を使えるように出力を求めています。体重比では世界最速付近にいると思いますね」

 

社会人1年目の都市対抗で150キロを計測すると、順調に成長してプロ入りを果たした。その裏で行っていたトレーニングの成果について聞くと、高島氏から意外な答えが返ってきた。「周りから見ると、たぶんわからないと思います。アウトローに質の高いボールを投げる能力は高校時代から高かったので」傍目にはわかりにくいが、山岡自身は投手人生の転機になったと振り返る。

出典:『がっつり! プロ野球(29)』

『革新的投球パフォーマンス』
著者:高島誠

「高校生なら誰でも140km/hを投げられるようになる」という命題に明確な回答をする超実践本!近年成長著しい広島県私立武田高校で強化メニューを担当するトレーナーの高島誠の下には、山岡泰輔投手や高橋礼投手というプロの投手たちもシーズンオフにトレーニングにやって来ます。高島はどんな指導をして成長に導いているのか。その考え方や練習&トレーニング方法を写真とQRコードで詳しく解説!

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