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目指すは黄金時代。千葉ロッテマリーンズ井口資仁監督の思い。【監督就任のいきさつ.3】

Text:井口資仁

10月23日の対日本ハムファイターズ戦で劇的なサヨナラ勝ち。リーグ優勝へのマジックを4とした千葉ロッテマリーンズ。その指揮官・井口資仁は、これまで監督としてチームを率いる上で、どんな思いを抱いていたのか。
開幕前、3月に上梓された書籍『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』からその一部を抜粋してお届けする。今回は「球団とのビジョンの共有」に関して。

マリーンズ黄金時代を目指す

 当たり前だが、監督を務める以上、目指すのは優勝の二文字である。作り上げたいのは、勝てるチーム……しかもたまたま優勝するのではなく、毎年優勝争いができるようなチーム。いうなれば、「マリーンズ黄金時代到来」が僕が監督として叶えたいビジョンだった。球団側に求めたのは、その大きな目標を実現するために必要な条件だ。

 条件の具体的な内容は、本書の中で順に触れていくが、一言でまとめれば、僕の掲げる「マリーンズ黄金時代到来」というビジョンの共有である。

 監督の仕事は、与えられた戦力の中から試合に出場する選手を決め、采配を振るうことだ。

 ただ、マリーンズが何年も続けて優勝争いをするような強豪チームに成長するためには、監督の権限が及ぶ範囲の改革だけでは限界がある。どうしても球団の協力が不可欠だった。

 すぐに球団側とその条件についての交渉が始まった。もちろん、僕自身もやみくもに「マリーンズ黄金時代到来」という目標を球団側に伝えたわけではない。自分なりの手応えを感じた上で掲げたものだ。

二軍施設に才能あふれる選手たち

 現役時代の晩年、僕はスタメンを外れる機会が増え、試合中にベンチで過ごすこともたびたびあった。また引退した年は、一軍を離れ調整のため二軍施設を訪れることも多かった。その際に接した若手選手たちの中には才能に溢れるプレーヤーが何人もいた。彼らが順調に成長すれば常に優勝を狙えるチームを作れるのではないか……。決してひいき目ではなく、マリーンズには、そう期待できるような人材が控えていたのだ。

 幸いなことに、球団と重ねた交渉では、監督に就任する上で僕から提示した条件すべてに対して「協力する」という返事をもらえた。

 球団と協力しながら目指す目標は、マリーンズ黄金時代の到来!

 2017年10月12日、僕は千葉ロッテマリーンズ一軍監督に就任した。

ーー次回、「監督の条件.1」へ続く

出典:『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』著/井口資仁 日本文芸社刊
記事内容は21年3月の書籍出版時点のもの。

書籍情報
『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』
著者:井口資仁 日本文芸社刊

井口監督が目指す常勝チームの姿とは?
現役時代、大リーガーとしてワールドシリーズ制覇に貢献した千葉ロッテマリーンズ井口監督の改革と手腕に迫る。
ロッテは日本代表メンバーが選手にいないにも関わらず、2020年シーズン、2位を獲得した。
コロナ禍にも見舞われ、若手主体の戦いを余儀なくされた裏で、いったい井口監督は何を実行していたのか?
監督就任以来実行してきたコーチングスタッフの引き抜き、球場施設の整備・変更、練習内容の充実、選手の体調管理、フロントへの提言、ドラフトへの要望、若手の育成指導、ミーティングの進め方、試合分析などを完全網羅する。

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