4つのラインを作って攻撃する
現代サッカーはコンパクトな守備をするチームが多く、攻撃側が深さを取ることや、ライン間でボールを受けることが年々難しくなっている。
このように、ライン間を狭くする守備を実行してくるチームに対しては、相手DFラインの背後を取るパスを実行することが必要不可欠になっている。
3人目の動きを使ってライン間にいるフリーマンにボールを渡すには、1つのラインを飛ばすパスをすることで3人目のフリーマンに前を向いた状態でボールを渡すことができる。
例えば、PVがグラウンド中央でボールを保持し、CFへ縦パスを入れ、CFは相手のMFラインとDFラインのライン間でフリーとなっている3人目のOMFに落としのパスをする。
前を向いてフリーであるOMFは相手DFの背後に走り出すWGへ縦パスを入れ、WGの動き出しとシンクロするように、SBがWGの空けたスペースを埋め、パスコースを確保する。このようにして、ダイヤモンドを形成し、ボール保持者に5つのプレーオプションを常に与えるのだ。
現代の守備組織は基本的にDFライン、MFライン、FWラインの3ラインで構成するチームが多い。
そのコンパクトなゾーンディフェンスによる3ラインを攻略するには、攻撃側は、ライン間、ライン上に選手を適切に配置して4ラインで攻撃組織を構成する必要があり、最後は相手DFラインの背後でボールを受けることでシュートチャンスを作り出す。
●4ラインで攻撃組織を構成
相手が3ラインで非常にコンパクトな組織的守備をするので、攻撃側は4ラインで構成。3人目の動きと1つラインを飛ばしたパスを使い、ライン間でフリーマンがボールを受け、相手DFラインの背後にパスを通すことで得点チャンスを作る。
出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭
『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭
日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。
公開日:2021.11.26