「こり」や「痛み」と縁遠いフランス人
日本にいると「肩こり」「首こり」「腰痛」「膝痛」といった不調を表すワードを頻繁に目にします。一方で、フランスにいると、そのような言葉と出合うことは、ほとんどありません。
運動習慣があるからこそ、こりや痛みとは縁遠いということもあるでしょう。
また、パリには日本にあるような気軽に立ち寄れるクイックマッサージ店などが存在しない、という理由もあると思っています。簡単にメンテナンスができないとなったら、わたしたちもできる限り体の調子を崩さぬよう無理のない範囲で調整を始めますよね。そういった意識が、彼女たちの日常なのです。
一度決めた生活ルーティンは、たとえ旅先でも崩すことはありません。
結局は、自分をないがしろにせず、どのようにしていたら「わたし」が心地よくいられるかを突き詰めて、その答えに忠実に一つ一つの選択を積み重ねていくというところにたどり着きます。
例えば、姿勢。立っているときも座っているときも、動いている瞬間でさえも適度な緊張感をもっているから、どこを切り取っても彼女たちの姿勢はとても美しい。油断しがちな後ろ姿も、「常に背中への視線を意識するようにしている」と言います。
後ろ姿ですぐわかる日本人
一方、「パリの街角に旅行客がたくさんいても、後ろ姿だけで日本人ってわかるのよね」と彼女たちは言います。常にスマホを片手に写真を撮ったりシェアしたり……。手元にばかり意識が向いているから肩がすくんで首が前に出て猫背になってしまい、上体が前のめりになっているんだとか。
「もっと自分自身に目を向けてあげて~!」と、思わず声をかけたくなってしまうそうです。
【書誌情報】
『寝たままできる!パリジェンヌたちの体幹トレーニング KANAMI式バーオソル』
公開日:2020.05.16