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【普通にやるだけやんか/岡田彰布】選手には『四球は安打と同じ価値』フロントには『四球の査定ポイントを上げるように』同時に言ったら阪神は⁉

昨季、1985年以来38年ぶり2度目となる日本一に輝いた阪神タイガース。その指揮官・岡田彰布はチームを率いる上で、どんな思いを抱いていたのか。
開幕を控え、この3月に上梓される書籍『普通にやるだけやんか~オリを破った虎~』(発行:Gakken)からその一部を抜粋してお届けする。今回は「評価制度を変えてどうなったか」。

評価を変えれば、意識もチームも変わる

 2023年はチームプレーを大切にというイメージで見られたけど、おれは決して個人の記録を否定しない。それどころかチャンスがあったら、個人の数字を狙わせる。2024年のテーマとして選手に言っているのは「個人のタイトルを狙え」ということや。タイトルでなくとも例えば3割とか、15勝とか数字にこだわればいい。

 個人の数字がチームの勝利につながる、それが本来のチームプレーなんよ。残った数字はそのまま評価となり、自分の給料に跳ね返る。だけどチームの成績が悪かったら給料も上がらんからなあ。

 具体的にいえば一番のチームプレーは自分が二塁走者のとき、打者がヒットを打ったら必ずホームに帰って来ることや。帰って来たらチームに点が入るだけでなく、打者に打点が付く。打点があるとないとでは、査定も違ってくる。査定ポイントになり、チームの勝利に結びつくというケースよな。

 だから2023年の開幕前には、選手には四球は安打と同じ価値があると言った裏で、同時にフロントには四球の査定ポイントを上げるように申し入れたんよ。そうして優勝したらどうなった?

 みんなものすごく給料が上がったやろ。自分のヒット数や勝ち星より、チームが優勝することで一番、年俸が上がったやんか。そういうことよ。普通にやったら、給料が桁違いに上がった。こんなええことはない。それを選手が分かったやんか。

 安打も四球も同じように評価されることで、選手の意識も変わったよなあ。終盤の大切な場面で選手が、打つことより四球を選んでガッツポーズをしたんよ。ベンチもそうよ。ベンチにいる選手が、四球で盛り上がるなんて、今まではなかったやろ。勝ち方というか、打てないときにどう勝つかということがチーム全体に浸透した。自然体で、四球のガッツポーズが出たんやろ。おれはこのときに、このチームは強くなったと感じたわ。

ーー次回【できることをやれ。できないことをするな】へ続く

出典:『普通にやるだけやんか~オリを破った虎~』著:岡田彰布 発行:Gakken


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もう「アレ」とは言わない。そら連覇を目指すよ。
38年ぶりの“アレのアレ”に導いた虎の名将が、
いまだから明かす「岡田の考え」。
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★おれのほんまの気持ち、書くわ
「優勝して出たのは涙より感謝の言葉」
「出来ることを普通にやる、出来ないことをしようとするな」
「作戦はブランコに乗って考えた」
「短所を直すよりも長所を伸ばしてやる」
「采配とは失敗したときに慌てず対応すること」
「言葉よりも行動で信頼を伝える」
「大切なのは“引き出し”をたくさん持つこと」

書籍情報
『普通にやるだけやんか~オリを破った虎~』
著:岡田彰布 発行:Gakken

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