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孫子から学ぶ部下たちに信頼されるリーダーになる立ち振る舞いとは!?【孫子の兵法】

Text:島崎晋

どんな相手でもむやみに争いを起こしてはならない

孫子は、戦争とは国家の命運を左右する大事なりと規定したうえで、まず五つの基本事項を提示している。それは「道、天、地、将、法」の五つからなり、「道」は内政の正しいありかた、「天」は気象条件の良し悪し、「地」は地理的条件の良し悪し、「将」は指揮官の能力、「法」は軍法をあらわしている。

軍が最大限の力を発揮するためには上下の心を一つにする必要があり、そのためには日頃の統治が大事。兵に疑念を抱かせず、生死をともにする腹をくくらせるには厳格にして公正な態度に終始し、開戦に至るまでしっかり信頼関係を築き上げておかねばならない。それこそが孫子のいう「道」である。

四番目に挙げた「将」もこれに関連するもので、兵の命を預かる立場上、指揮官が必ず有していなければならない資質、具体的には物事を明察できる知力、部下からの信頼、部下を思いやる仁慈の心、困難に挫けない勇気、規律を維持できる厳格さなどをさしている。

指揮官を、現代の競争社会を生き抜く企業のリーダーと読み替えることもできるのではないだろうか。

そのような指揮官にしてはじめて「法」を的確に行使できるのであって、五つの基本事項のうち一つでも不安があれば戦争を仕掛けてはならない。

国家の大事である戦争を軽々しく行なってはならないのである。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』
著者:島崎晋

新紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。

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