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「落ち着いた投球でしっかり試合を作る」昨季7月以降で先発4勝の千葉ロッテマリーンズ2年目右腕、河村説人!【ラブすぽ独占インタビュー】

Text:花田雪

星槎道都大学からドラフト4位で入団した昨季は開幕から一軍入りし、シーズン中盤以降は先発として優勝争いをするチームを支えた河村説人。先発、リリーフの両方を経験して迎える今季は「球速アップ」を課題にキャンプ、オープン戦を過ごしている。ライバルも多い一軍投手陣への生き残りをかける期待の2年目右腕に、今季への意気込みを聞きました!

1年目で感じた「プロの凄み」
球速アップで2年目の飛躍を!

――春季キャンプも終わり、開幕が近づいてきました。率直にここまでの手ごたえを教えてください。

河村 体調不良でキャンプ参加が出遅れてしまったので、その遅れを取り戻している段階です。今は体も万全な状態なので、開幕までにはしっかりと間に合わせたいと思っています。

――昨季プロ1年目ながら一軍で経験を積まれました。2年目の今季に向けて課題としたこと、取り組んでいることがあれば教えてください。

河村 球速を上ることをテーマに掲げて、自主トレから取り組んでいます。具体的に言うと体の柔軟性など、自分に足りない部分を補っている、というイメージです。

――プロで1年間やってみて、「もう少し球速を上げないとダメだ」と思った?

河村 もともとストレートは自信のあるボールなんですけど、プロで1シーズン戦ってみて「もう少し力のあるボールを投げられれば楽になるのにな」と実感しました。

――大学で対戦していたバッターとプロで対戦したバッターは、やはり違う?

河村 大学のころは自分が力を入れて投げたボールが打たれることはほとんどなかったんですけど、プロではいくら力を入れたところで相手が狙っていれば簡単に打たれます。「自分が納得したボールを投げても打たれることがある」というのは、プロの世界に入って強く感じるようになりました。

――具体的に思い浮かぶシーンはありますか?

河村 昨年の開幕戦、リリーフで投げさせてもらったんですけど(※対ソフトバンク戦の7回からプロ初登板)、甲斐(拓也)選手に打たれたホームランです。ある程度指にもかかって、自分としては決して悪くないボールだったんですけどスタンドに運ばれてしまった。

――デビュー戦でいきなり洗礼を浴びたわけですね?

河村 そうですね……。プロは凄いなぁと思いました(笑)。

――昨年は先発に配置転換されてから結果を残しました。ご自身の中では先発のほうがやりやすさを感じましたか。

河村 やりやすさという意味ではそこまで違いはなかったんですけど、先発のほうが「自分が試合を作っていく」「バッターに向かっていく」という気持ちを作りやすい感覚はありました。

――先発は自分の投球がチームの勝敗により直結します。

河村 リリーフの時はビハインドの場面で投げることが多くて、チームのことだけじゃなく、自分の結果など、考えなければいけないことが多かったんです。先発はとにかく「試合に勝つ」ことに集中できたのかなと。

――5試合に先発して4勝。勝ちの付かなかった1試合も5回1失点としっかり「試合を作る」ことができた。

河村 もちろん足りない部分もありますけど、しっかりと自分のボールを投げることができればある程度通用するという自信は付きました。

――先発で投げていた時期はチームが優勝争いを展開していて、プレッシャーのかかる場面での登板も多かったと思います。重圧を感じることはなかった?

河村 順位が決まった状態で投げるのと、勝敗ひとつで順位が変わるかもしれない試合で投げるのとでは、もちろん気持ちは違ってくると思います。でも、野球選手としてどちらがワクワクするかと言えば、当然後者になるので、そこは自分でも意識して投げるようにしました。

――ネガティブな感情より高揚感のほうが強かった?

河村 もちろんネガティブになりそうなこともありました(笑)。でもそこは自分に言い聞かせるじゃないですけど、大事な場面で投げさせてもらっているんだと自分を奮い立たせていました。

1年目よりもたくさん投げたい
「落ち着いた投球」を見てください!

――プロ1年目は良い経験、悔しい経験もあったと思いますが、どんなことを掴めた1年でしたか?

河村 リリーフとしてはチームに迷惑をかけてしまいましたけど、大変さも知ることができた。先発としてはある程度貢献することもできたと思っていますし、その経験を2年目にも生かしていきたいです。

――今年は先発で投げたいという思いが強い?

河村 いえ、どちらでもやります。言われたところでしっかりと投げられる準備をしていきたいですね。

――今季の課題に挙げた「球速アップ」について、手ごたえはありますか?

河村 今のところないですね(笑)。そんな簡単なものではないのも分かっていますし、これから少しずつ上げられるようにしていきたいです。

――球速を上げるために一番必要なことは?

河村 フォームがきれいになれば球速も上がると思っています。そのフォームを体現するためには体作りが大切なので、そこを重視しています。フィジカル面もフォームも、両方ですね。

――今はYou Tubeをはじめ、いろいろな情報が世の中に出回っていますが、河村投手もそういう「外の情報」は参考にする?

河村 結構見ています。メカニズムの面もそうですし、ラプソードなども上手に活用していきたいですね。

――ラプソードから得られるデータで特に意識していることは?

河村 自分のストレートは回転軸がキレイでホップ成分が高いので、その球質はキープしたまま球速を上げたいですね。

――開幕に向けて、どういう部分をアピールしていきたいと考えていますか?

河村 試合を壊さないこと、試合を作れる部分をアピールしていきたいです。「完璧なピッチャー」には憧れるんですけど、「誰」という特定の選手はいません。「ライバル」のような選手もいないんです。チーム内での競争には勝ちたいですが、選手個人をそもそも意識しないので。

――最後に、ファンの方に向けて「河村説人のココを見てほしい!」という見どころを教えてください。

河村 まずは去年よりもたくさんの試合に投げて、ファンの皆さんには僕の投げているシーンをより多く見てほしいと思っています。その上で「落ち着いた投球」をつねに意識しているので、マウンド上でもぶれない姿勢を見て頂きたいですね。

――ありがとうございました!2年目の今季も「落ち着いた投球」でチームに勝利を呼ぶ姿を期待しています!

収録:2022年3月2日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ