兵庫県・明石商では1年夏から甲子園に出場。2年春・夏、3年夏の交流試合と、コロナ禍に見舞われた高校生活の中で、出場可能なすべての甲子園大会で登板を果たした中森俊介。ドラフト会議でも千葉ロッテマリーンズから2位で指名を受けてプロ入りを果たしたが、1年目の昨季は一、二軍通して公式戦の登板がなかった。
飛躍を誓う今季へ向けて、1年目に感じた課題、同級生、先輩たちから受ける刺激、恩師からかけられた言葉などを、「ラブすぽ」独占インタビューで存分に語ってもった。
今季こそ公式戦デビューへ!
1年目で感じた手応えと課題とは?
――2年目のキャンプ、少し慣れてきた部分はありますか?
中森 キャンプ全体の動きは2年目である程度分かってきましたし、要領もつかめてきました。自分の中ではうまく時間を使うことができるようになってきたのかなと思います。その一方で、1年目の昨季は公式戦で一度も投げることができませんでした。なので2年目とはいえ、気持ちとしては1年目と同じような感覚で臨んでいます。
――1年目の昨季、「体づくり」に重点を置いたことで一、二軍通して登板がなかった。とはいえ、投げたかったという気持ちもあったのでは?
中森 投げたかった気持ちはもちろんあります。ただ「投げたいという欲」をトレーニングや、日々の練習に向けるよう、ポジティブに捉えていました。
――具体的には体を大きくしたり、筋量を上げることを目指して過ごしていた?
中森 もともと体重は重い方だったんですけど、ウエートトレーニングはあまりやってこなかったので、重い重量を扱えるようにはなってきたのかなと思います。
――今、体重は?
中森 90~91キロくらいです。プロ入り当初からは4~5キロくらい増えました。
――野球人生で「公式戦で投げなかった1年間」というのは初めての経験ですよね?
中森 やるべきことが明確だったので、投げないことに違和感はありませんでした。それより違いを感じたのはプロに入って「野球が一番」になったこと。もちろん高校までも野球を第一に考えていましたが、それでも授業があって、それが終わった後に野球の練習をする毎日でした。でもプロに入ってからは朝起きてから寝るまで、野球だけに打ち込む日々。それをこなすための体力や精神力がまだまだ足りないと感じた1年間でした。
――1年間やってみて具体的な課題も見つかった?
中森 昨秋のフェニックス・リーグで先発させてもらったとき、序盤はある程度抑えることができたんですけど、回を重ねて球威が落ちてくると打ち込まれてしまったので、「体力面」での課題は痛感しました。
――逆に、手ごたえを感じた部分は?
中森 真っ直ぐが良いときはしっかりと抑えることができたのは収穫だったと思います。変化球を生かすも殺すも真っ直ぐ次第なんだということを再認識できましたし、今年のキャンプでも真っすぐをしっかりと投げ込めるように、強さや精度を磨いていきたいと考えています。
――キャンプに入られるまでのオフシーズンは充実していた?
中森 昨年から続けてきた取り組みをしっかりと意識して、特にメディシンボールを使った体幹トレーニングを意識してやっていました。
――昨年1年間とオフを経て、成長を実感できる部分は?
中森 体幹はかなりしっかりしてきたのかなと感じています。投球フォームでも意識する部分が変わってきたと思います。
元チームメイト来田涼斗からの刺激と
恩師・狭間監督からかけられた言葉
――明石商時代の同級生でもある来田涼斗選手(オリックス)は昨年、プロ1年目で一軍デビューを果たし、初打席初球本塁打を記録するなど活躍しました。彼を含めて同学年の選手のプレーも刺激になるのでは?
中森 来田の活躍はすごく刺激になります。自分もこんなところでくすぶっている場合じゃない、もっと頑張らなきゃいけないなと思わせてくれる存在です。自分も一軍で活躍して、お互いに切磋琢磨していきたいなと感じています。
――明石商時代の監督でもある狭間善徳先生とお話をする機会はありましたか?
中森 「焦るな」ということは言ってもらえました。今年2年目ですけど、焦って怪我したら何の意味もないから、そこはしっかりやれよと。
――恩師からも「焦らずやれよ」と言われたプロ2年目ですが、改めて今季の目標を教えてください。
中森 まずはシーズン通して怪我無く完走すること。そのうえで最初は二軍でしっかりとローテーションを守ること。イニング数も含めて登板機会を増やせるように頑張りたいです。
――昨年はチームメイトでもある佐々木朗希投手を含め、宮城大弥投手(オリックス)、奥川恭伸投手(ヤクルト)といった1学年上の先輩たちが高卒2年目で大活躍しました。中森投手も今季、その「2年目」を迎えるわけですが、先輩たちの投球も意識したり目標にしたりする?
中森 自分の持っている力を出せたらおのずと結果は出ると思っています。それが良い結果なら自分のやってきたことが間違いではなかったということですし、もし悪い結果ならさらに試行錯誤して、変化をしながら成長していきたいと考えています。
――今季、ファンの方に「こういう部分を見てもらいたい」というアピールがあればぜひ聞かせてください。
中森 自分の投球スタイルとして、ピンチになったときにギアが上がると思うので……もちろんピンチを作らないことが一番ですけど(笑)、そういう場面、「ピンチになったときの中森」には注目して頂きたいと思います。
――ありがとうございます!公式戦、一軍デビューを楽しみにしています!
収録:2022年2月6日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ
公開日:2022.02.17