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目標は「荻野貴司さん」。千葉ロッテマリーンズ和田康士朗が目指す理想の打者像【ラブすぽ独占インタビュー】

Text:花田雪

独立リーグ・富山GRNサンダーバーズから育成ドラフト1位で入団してから今季で5年目。昨季は支配下2年目で24盗塁を記録し、自身初となる盗塁王のタイトルも獲得した和田康士朗。球界屈指のスピードスターは今季の目標に「スタメン」を掲げる。課題の打撃面で手応えを掴みつつある和田選手に、ラブすぽが直撃取材!

今季の課題は「打撃」
自分の力で出塁して盗塁を決めたい

――春季キャンプにも入って開幕が少しずつ近づいてきましたが、調整は順調ですか?

和田 今年は打撃を課題にしているんですが、そこは手ごたえも感じています。

――「打撃が課題」ということは出場機会をさらに増やしたいという思いがある?

和田 やっぱりスタメンで出るためには打撃面の向上が必要なので。もっと出場数、打席数は増やしていきたいです。

――昨季は24盗塁で自身初のタイトルを獲得した一方で、打席数は前年(69打席)の半分以下(24打席)でした。そのあたり、ご自身ではどう評価されていますか。

和田 代走としてはそれなりにやれたと思っています。ただ、目標は「スタメンで出ること」だったので、その部分では0点です。

――やはり、もっと試合に出たかった。

和田 打席に立ちたかったなという思いが強いです。

――「足のスペシャリスト」と言われることも多いと思いますが、目指すスタイルはそこではない。

和田 自分の力で出塁して、盗塁を決めるのが理想です。そのためにはやはりスタメンで出なければいけないし、打撃も含めたトータルの力が必要になってくる。

――代走で盗塁を決めるのと、自分で出塁して盗塁するのとでは違う?

和田 もちろん冗談ですけど、周りからも「人の塁ばっかり取るなよ」といじられます(笑)。自分で塁に出て盗塁すれば、誰にも文句は言われなくなると思うので(笑)。

――独立リーグ時代の監督でもある吉岡雄二さんからも、打撃は高く評価されていました。

和田 これから打席に入る機会が増えていかないとなんとも言えないですけど、少なくともキャンプの中では良い感じを掴めているので、早く実戦で試したいという気持ちですね。

――具体的に変えた部分はあるのでしょうか。

和田 去年の秋季キャンプから福浦(和也)コーチに「『タメ』が足りない」ということは言われていて、そこはずっと意識しています。

――トップをしっかりと取って『間』を作るイメージ?

和田 はい。今までは「1、2、3」で打っていたんですけど、それを「1、2『の』、3」で打つような感覚です。そういうタメがないと変化球が打てないので。ボールをしっかりと見極める時間をフォームの中で作っていこうと考えています。

――和田選手は高校で野球部に所属していないなど「異色の経歴」と言われることも多いと思います。その意味では打撃の「基礎」だったり、「理論・理屈」については触れてくる機会も少なかった?

和田 同世代の選手と比べると細かな指導を受けた経験がほとんどないので、圧倒的に引き出しが少ないのは感じます。なので、今もまだ勉強中です。

――ただ、逆を言うと「伸びしろ」がまだまだあるとも言えませんか?

和田 プロに入ってからも打撃はすごく成長したと思いますし、これからの自分もどんなふうになっていくのかなとは思います。

――理想とする選手像はある?

和田 1番を打ちたいと思っているので、ヒットもホームランも打てる荻野(貴司)さんみたいな打者になりたいです。

――身長も高い(※185センチ)ですし、パワーが付けば「長打も増えるのでは?」というイメージもあります。

和田 全然、体重が増えないので(笑)。まずはしっかり出塁して、塁上でかき回すイメージの方が強いです。

――食べても体重が増えないタイプ?

和田 シーズン中に5キロくらい落ちてしまうこともあります。なので、練習と同じくらい食事もキツいです……(笑)。これは、引退するまで続くのかなと思っています。

盗塁で一番大切なのは
警戒されても走れる「勇気」

――2年連続で一軍で結果を残し、昨季はタイトルも獲得。独立リーグから育成ドラフトでプロ入りして5年目、支配下3年目を迎えますが、「自信」が付いた部分もあるのでは?

和田 警戒される場面では全然走れていないので、そこはまだまだだです。

――昨季も警戒されるシーンが多かったですが、そこをかいくぐるのに必要なのは何ですか?

和田 「勇気」ですね。

――スタートを切る勇気?

和田 もうちょっと勇気を出せるようにしたいです(笑)。チームが優勝争いをする中で、もっと(盗塁を)決めたかったという思いはあります。

――やはり負けられない試合、失敗できない場面で盗塁を決めるのは難しい。

和田 いつもより警戒もされますし、シーズン終盤に連続で失敗もしたので、「勇気」を出せなかった部分はあります。

――代走で出て盗塁を失敗すると、精神的にもものすごくキツいですよね?

和田 毎日試合があるので、切り替えないとメンタルが持たないです。失敗してもコーチや周りの人から「気にするな」「切り替えろ」と言ってもらえるので、自分でも意識して切り替えるようにはしています。

――パ・リーグには和田選手と同じように育成でプロ入りして「代走」を経てレギュラー、侍ジャパンにまで上り詰めた周東佑京選手がいます。和田選手も周東選手と同じような成長曲線をイメージしますか?

和田 周東さんが代走で結果を出してくれなかったら、僕もここまでやれていなかったと思います。なので、最終的には周東さんのようにチームの力になれる存在になっていきたいですね。

――最後に、今季の目標を聞かせてください。

和田 去年は「代走」で終わってしまったので、まずは、もっとスタメンで出ることです。数字の目標を掲げると達成できない気がするので……(笑)、まずは1つでも多く打席に入れるように意識していきたいですね

――ありがとうございました!

収録:2022年2月11日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ

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